2007.2.24
第200回放送分『感染性胃腸炎』 ゲスト:南武嗣ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「感染性胃腸炎」について、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクター にお話を伺っています。
南さん、どうぞよろしくお願いいたします。

南 武嗣Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週まで、ノロウイルスを中心にお話を伺いました。
今週は、細菌性が原因の感染性胃腸炎についてお願いいたします。

南 武嗣Dr: 細菌による感染性胃腸炎としては、サルモネラ菌や病原大腸菌によるものが有名です。
代表的なものは、皆さんご存じの「0-157」です。
正確には「O-157」はベロ毒素産生大腸菌の1種類で、ベロ毒素を産生する大腸菌は、ほかにO-26やO-111なども知られています。

二見いすず: 夏場になると、よく耳にするんですが、「0-157」は、食べ物を通して感染するのでしょうか。

南 武嗣Dr: その通りです。
10年程前に、堺市で集団発生したのは、小学校給食が原因でした。

二見いすず: そうでしたね。
では、どんな食べ物に含まれているのでしょうか。

南 武嗣Dr: さまざまな食品が原因としてあげられており、限定はできませんが生の肉類は注意が必要です。
調理するときは、洗浄や十分な加熱など衛生的な取扱いを心掛けていただきたいと思います。

二見いすず: 0-157は、どんな症状があるのでしょうか。

南 武嗣Dr: 0-157の菌は、口から入って症状がでるまで、一般的には3日から1週間かかります。
水のような下痢をくり返したり、激しい腹痛がおこったり、下痢が著しい血便に変わって行きます。

二見いすず: 潜伏期間が3日から1週間というのはとても長いですね。
驚きました。

南 武嗣Dr: そうです。
この腹痛は、とても激しく、子どもさんなどは、転げ回っていたがる場合もあります。
また、悪化すると脳障害や腎障害を引き起こして死に至る場合もありますので、激しい腹痛や血便などの症状があったら、すぐに医療機関へご相談ください。

二見いすず: 分かりました。
胃腸炎というと、お腹が痛くなるくらいなのかな、とつい軽く考えがちなのですが、注意しなくてはならないことがたくさんあるのですね。
ウイルスが原因の場合も、細菌が原因の場合も、とにかく日頃から手をしっかり洗い清潔にすることが大切なんですね。
また、料理をするときは、食材を十分に加熱することも心掛けたいと思います。

南 武嗣Dr: そうですね。
そして、子どもさんやお年寄りがかかると大変ですので、周囲の方は、十分に注意することが必要ですね。

二見いすず: わかりました。
今月は、4週にわたり、感染性胃腸炎についてお話を伺いました。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
貴重なお話をありがとうございました。

南 武嗣Dr: ありがとうございました。