2007.4.7
第206回放送分『メタボリックシンドローム』 ゲスト:瀬戸山史郎ドクター


二見いすず: 今月は、「メタボリックシンドローム」について鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやましろう)ドクターにお話を伺います。
瀬戸山さん、よろしくお願いいたします。

瀬戸山史郎Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: さて、最近、よく耳にするメタボリックシンドロームですが、気になってらっしゃる中高年の方も多いと思います。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。
いわゆる生活習慣病とよばれている病気には「糖尿病」、「高血圧」、「高脂血症」などがありますが、これらの病気の大きな要因として私たちの体の中にある内蔵の周りに脂肪が余分に蓄積するいわゆる内蔵脂肪型肥満が考えられています。
メタボリックシンドロームとは、内蔵脂肪症候群ともいわれ、「内臓脂肪型肥満により、さまざまな生活習慣病が引き起こされ、最終的に心筋梗塞、脳卒中のリスクが高まった状態」のことをいいます。

二見いすず: 内臓脂肪型肥満ということは、肥満にもいろんなタイプがあるということですか。

瀬戸山史郎Dr: そうです。
肥満には、おしりや腰のまわりなどの皮下に脂肪が蓄積する「皮下脂肪型肥満」と内臓のまわりに脂肪がつく「内臓脂肪型肥満」の2つのタイプがあります。
一般的に、女性には洋梨型の「皮下脂肪型肥満」が多く、男性はリンゴ型の「内蔵脂肪型肥満」が多いようです。

二見いすず: 内臓脂肪型の肥満は生活習慣病などにつながるということでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: そのとおりです。
標準体重を1とした場合の生活習慣病の発症率は、狭心症・心筋梗塞などの虚血性心臓病が2倍、高血圧は3倍、糖尿病が5倍といわれています。

二見いすず: こわいですね。
自分が内臓脂肪型肥満なのかどうかのチェックする方法がありますか。

瀬戸山史郎Dr: おなか回りが、男性の場合は85cm以上、女性では90cm以上あると内臓脂肪型肥満が疑われます。
ただし、おなか回りを測るときには、ウエストの一番細いところではなく、必ずおへそ回りを測ってください。
でも、男性の場合は、普通体重の人でも、内臓に脂肪がついている場合もあるので要注意なんですよ。
女性の場合は、メタボリックシンドロームの人のほぼ100%の人が肥満ですが、男性の場合は約1割の人が普通体重なんです。

二見いすず: 男性の場合は、見た目は太っていなくても、内臓脂肪がついている場合があるというわけですね。

瀬戸山史郎Dr: そうです。
このような方は大抵が運動不足なんです。
ですから、見た目は太っていない方も定期健診などを利用して血圧や血液の状態などチェックしていただくこともお勧めしたいですね。

二見いすず: それでは来週は、なぜ肥満がさまざまな病気につながるのかということについて、詳しく伺いたいと思います。
瀬戸山さん、ありがとうございました。

瀬戸山史郎Dr: ありがとうございました。