2007.4.14
第207回放送分『メタボリックシンドローム』 ゲスト:瀬戸山史郎ドクター


二見いすず: 今月は、「メタボリックシンドローム」について鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやましろう)ドクターにお話を伺っています。
瀬戸山さん、よろしくお願いいたします。

瀬戸山史郎Dr: よろしくお願いします。
先週は、メタボリックシンドロームとは、内臓に余分に脂肪が蓄積するタイプの肥満によってさまざまな生活習慣病が引き起こされ、最終的に心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まった状態のことだというお話をしました。

二見いすず: 内臓脂肪が蓄積するというと、食べ過ぎや運動不足などの生活習慣が大きく関わっているのでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。
摂取エネルギ−が消費エネルギーを上回ると、体内に内臓脂肪が余分に蓄積されてしまいます。
そうすると、糖尿病や高血圧、高脂血症などを合併してメタボリックシンドロームになってしまうことがある、ということですね。

二見いすず: メタボリックシンドロームになると、どうなってしまうんでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: 動脈硬化が進み、心筋梗塞、脳卒中などの命にかかわる病気を発症する危険性が非常に高くなります。

二見いすず: メタボリックシンドロームを放置しておくと、さらに新たな病気を呼んでしまう、ということですね。
こわいですね。

瀬戸山史郎Dr: もっとこわいことは、内臓脂肪型肥満があると、高血糖、高血圧、高脂血症つまり中性脂肪が高い、善玉のHDLコレステロールが低いなどの動脈硬化の危険因子を併せ持っている人は、ひとつひとつの病気は軽度であっても、心筋梗塞、脳卒中を発症する危険性が何倍にもなってしまいまうということです。
内蔵脂肪型肥満にこれらの危険因子が1つ合併するだけで発症リスクは5.8倍、3つ以上になると35.8倍に跳ね上がるという報告もあります。

二見いすず: こわいですね。

瀬戸山史郎Dr: 動脈硬化の原因は他にも喫煙、ストレスなどいろいろありますが、内臓脂肪型肥満の場合、動脈硬化を発症する危険性が高い、ということはいえますね。
ところで鹿児島県では、平成13年から「健康かごしま21」という健康づくり運動に取り組んでいるんですが、平成17年度の調査結果では、20歳から60歳代の女性の肥満者は減ったんですが、男性の肥満者の割合が5年前よりも増加しているということが分かりました。
特に40、50代の働き盛りの男性肥満者が増加しています。

二見いすず: 鹿児島県でも、肥満の方が増えている、ということはメタボリックシンドローム予備軍の方も増えているということでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。
また、男性の一日の歩数が5年前に比べると約1000歩も少なくなっている、という非常に気になるデータもあります。

二見いすず: 運動量が減っているということですね。
肥満の方が増えているという原因のひとつかもしれませんね。
お話は瀬戸山史郎ドクターでした。
ありがとうございました。

瀬戸山史郎Dr: ありがとうございました。