2007.5.12
第211回放送分『五月病』 ゲスト:鮫島秀弥ドクター


二見いすず: 先週から「五月病」について、鹿児島県医師会の鮫島秀弥(さめしま ひでや)ドクターにお話を伺っています。
鮫島さん、今週もよろしくお願いいたします。

鮫島秀弥Dr: はい、よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、新しい環境の変化に対応できず、無気力や不安を感じる症状が「五月病」だとうかがいました。
では、「五月病」はどのようにしたら、防げるのでしょうか。

鮫島秀弥Dr: 「五月病」は、新しい環境に適応できないストレスが原因の場合が多いのですが、人間が生きていく上で、ストレスは必ずつきものです。
ですから、あまり深く悩み過ぎず、ストレスを上手にコントロールしていくことを考えた方がいいでしょう。

二見いすず: ただストレスを上手にコントロールするというのは、なかなかむずかしいことですよね。

鮫島秀弥Dr: はい、「ストレスは必ずあるもの」と考えれば、上手に付き合えると思います。
例えば、仕事や勉強も長時間頑張り過ぎず、時間を区切って、集中する時間あるいはそれに対して休む時間を設けていくといいでしょう。

二見いすず: 生活の中で集中する時間、休む時間、メリハリをつけて過ごす、ということですね。

鮫島秀弥Dr: そうですね、休むことは悪いことでは決してありません。
むしろ必要なことです。
いい仕事をするためには、いい休みが必要だということを知っていただきたいですね。
また、新しい仕事をうまくこなせないと悩む方も多いようですが、新しい分野にチャレンジするときは、誰でも最初から上手にできなくて当たり前なんです。
「できる範囲でいいや」と気を楽に持つことも大切です。

二見いすず: いい仕事をするためには必ずいい休みが必要だというお話です。
具体的には「五月病」の症状はどのようなものがあるんでしょうか。

鮫島秀弥Dr: 例えば「今までできていたことができなくなった」「大好きだった趣味に最近興味が持てない」「以前はラクラクこなせていたことができなくなった」などの症状を感じましたら、「五月病」かもしれないと思って、上手に休みをとり、心にゆとりを持つこと。
また、同じ時間に寝て、同じ時間に起きるなどの規則正しい生活を心掛けるのも効果的ですよ。

二見いすず: はい、思い切って休んでしまうということ、心にゆとりを持つ規則正しい生活を心がけるということなんですね。

鮫島秀弥Dr: そうですね、自分自身の心の持ち方あるいは生活習慣を変えれば、「五月病」は徐々に改善していくと思います。
それでも不安な方は、医療機関に相談すれば、いろいろなアドバイスをしてくれると思いますよ。

二見いすず: 自分ひとりで悩まずに、気になることがおありのときはぜひ専門の医療機関に相談していただきたいと思います。
来週は、「五月病」と病気の関係についてお話をうかがいたいと思います。
鮫島さん、どうもありがとうございました。

鮫島秀弥Dr: ありがとうございました。