2007.8.4            第223回放送分『熱中症』 ゲスト:有村敏明ドクター



二見いすず: 今月は、この時期に起こりやすい「熱中症」について、鹿児島県医師会の有村敏明(ありむらとしあき)ドクターにお話を伺っております。
有村さんよろしくお願いいたします。

有村敏明Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、熱中症の症状などについて伺いました。
今週は、熱中症の予防や応急処置についてお聞きしたいのですが。

有村敏明Dr: はい。
熱中症の予防としては、まずは体感温度を下げる工夫をしていただきたいと思います。
外に出るときは、帽子や日傘などを活用してください。
また、室内では通風を心掛けること。
扇風機などを利用するのもいいでしょう。
睡眠を十分にとることも大切です。
暑い場所での日中の作業などは、合間合間に十分な休息をとることを心掛けてください。

二見いすず: 暑さに負けないための工夫が大切ですね。
やはり水分補給も大切なんですよね。

有村敏明Dr: はい。
炎天下に外に出たり、夏に外でスポーツをするときなどは、こまめに水分と塩分の補給を行うということを心掛けていただきたいですね。
スポーツドリンクなどを利用してもいいと思います。
特に部活動中の生徒など、指導する方もぜひ気を配って水分を取らせてあげてください。
また、剣道など防具をつける運動では、休憩中には衣服をゆるめて熱を逃がしてあげるのもいいと思います。

二見いすず: では、万が一熱中症になってしまって、脱水症状や痙攣、吐き気などの症状が出てしまったらどういった応急処置をしたらよろしいのでしょうか。

有村敏明Dr: そうですね。
症状が軽い場合は、スポーツドリンクを飲ませて水分補給し、涼しい場所で休ませてあげてください。
また、全身に水を浴びせて気化熱によって体温を下げるという方法もあります。
近くに自動販売機があれば、冷たい缶ジュースを買って、わきの下や股間に当てて冷やすのもなかなか有効です。

二見いすず: 自動販売機ならいろいろな場所にありますし、缶ジュースはいつも冷えていますしね。
これは使えますね。
でも応急処置だけでは症状が改善しない場合もありますよね。

有村敏明Dr: 先ほど紹介したのはあくまでも応急処置ですから、熱中症がひどい場合は死に至る場合もあるということを忘れてはいけません。
やはり、できるだけ早く病院に連れて行くことが大切です。
状態が急変する場合もよくありますので、ためらわずに救急車を呼んで病院へ運んでください。

二見いすず: 熱中症の中でも重い熱射病などは、大変危険だということを知っておきたいですね。

有村敏明Dr: そうです。
体温が40度を越えて、自分の体で熱を放出できないと、心臓や肝臓などに障害を起こし、死に至ることもあることを忘れず、危機感を持って対処していただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
熱中症になったら、まずは応急処置、そして速やかに医療機関へ行くことが大切、ということですね。
有村さん、本日はありがとうございました。

有村敏明Dr: ありがとうございました。