2007.8.4            第223回放送分『熱中症』 ゲスト:有村敏明ドクター



二見いすず: 先週から「めまい」について、鹿児島県医師会の清田隆二(きよたりゅうじ)ドクターにお話を伺っています。
清田さん、よろしくお願いいたします。

清田隆二Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、「めまい」にもいろいろ原因があり、症状だけで自己判断をすることは危険なことだと伺いました。
やはり、軽い「めまい」でも、繰り返されるときは、医療機関で検査することが大事ということですね。

清田隆二Dr: そうですね。
ただ、脳外科などでMRIという脳の検査をして、脳には異常はなかったとして安心される方もおいでです。
しかし、MRIなど脳の写真で異常が見つからない場合でも、耳の奥にあってバランス感覚を保っている、三半規管などの内耳の異常を初めとした、いろいろな病気が隠れていることがあります。

二見いすず: 難聴など、耳の症状がない場合には、耳からの「めまい」でないと考えてよいでしょうか

清田隆二Dr: 残念ながらそうとは限りません。
難聴や耳鳴り、耳の閉塞感など、耳の症状がない「めまい」患者さんでも、検査の一環として聴力検査をしてみると、低音領域における軽度の難聴が判明することがあります。
それがきっかけで、メニエール病のような内耳の病気が判明することも少なくありません。

二見いすず: 「めまい」は、いろいろな原因があるんですね。
また、自覚症状がないのに耳の故障の場合もあるとは驚きました。
これは、なかなか複雑ですね。

清田隆二Dr: 確かに。
「めまい」によって、難聴が発見されるというケースもあるということです。
そのほか、甲状腺や婦人科・整形外科などの病気が見つかることもあります。

二見いすず: では、「めまい」は、体の異常を知らせてくれる、警告のようなものですね。

清田隆二Dr: まさしく警告、イエローカードです。
メニエール病の場合、「めまい」を繰り返しているうち、徐々に難聴が悪化していきます。
これは、他の病気が原因のときでも同じです。
「めまい」が繰り返す場合には、体からの警告信号だと思って、きちんとかかりつけの医療機関で相談していただきたいと思います。

二見いすず: そうですね。
甘くみてはいけないですね。
耳鼻咽喉科ではどんな検査をするのですか。

清田隆二Dr: 「めまい」についての検査は、「聴力検査」のほか、目玉のゆれを調べる「眼振検査」や全身のバランスを見る「足踏み検査」、この3つが重要です。
寝た状態から立ったときへの血圧変化を計る検査も役立ちます。

二見いすず: 原因がさまざまなだけに、検査もいろいろですね。
「めまい」をほっておくと、難聴が進んだりする場合もあるということですので、「ちょっと疲れただけ」などと、軽く考えずに、きちんと検査して、原因を根気よく解明し、しっかりと治療を受けたいものです。

清田隆二Dr: その通りです。
高齢化や生活習慣の変化から、高血圧、糖尿病、高脂血症などの病気が増えてきています。
また、ストレス社会となり心の病も増えてきています。
いろいろな検査や治療を行っても、しつこく続く「めまい」でお困りのようでしたら、一度、耳鼻科で診てもらうことをお勧めします。
そういった患者さんの場合、耳が原因のひとつである可能性があるということを覚えていただければ、と思います。

二見いすず: よく分かりました。
先週から2週にわたり、「めまい」についてお話をうかがいました。
清田隆二(きよたりゅうじ)ドクターありがとうござました。

清田隆二Dr: ありがとうございました。