2007.8.4            第223回放送分『熱中症』 ゲスト:有村敏明ドクター



二見いすず: 今月の前半は2週に渡り、「子宮がん検診」について、鹿児島県医師会の福元清吾(ふくもとせいご)ドクターにお話を伺っています。
福元さん、よろしくお願いいたします。

福元清吾Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、子宮がんは子宮頚部がんと子宮体部がんの2種類あり、子宮がんにかかっても、自覚症状がない場合もあるので、検診をこまめに受けて早期発見をすることが大切だとお話いただきました。

福元清吾Dr: そうですね。
子宮頸部がんの原因は、性交渉によって感染するウイルスだといわれています。
以前は、子宮がん検診の対象年齢は、30歳以上でしたが、性交渉の開始年齢が早まっている現状をふまえて、2005年から検診対象年齢が20歳以上に変更されました。

二見いすず: そうなんですね。

福元清吾Dr: 最近の研究では、性行為と性行為感染症、子宮頚部がんの間に因果関係があるという結果も報告されていますから、産婦人科医の私としては、もし性交経験があれば、20代でも速やかに子宮がん検診を受けるようにおすすめします。

二見いすず: 若いから大丈夫、と思っていてはいけないということですね。

福元清吾Dr: そうですね。
子宮体部がんの危険因子は、長期間月経が無かったり、肥満、高血圧、糖尿病、長期間のホルモン剤の服用などがあげられます。
また、ご家族の中に、乳がんや大腸がん、卵巣がん、子宮体部がんになったことがある人がいる方も注意が必要です。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。

福元清吾Dr: ところで、二見さんは、エストロゲンというホルモンをご存知ですか。

二見いすず: 確か、卵巣から出る女性ホルモンですよね。

福元清吾Dr: そうです。
ところが、最近、卵巣以外に、肥満になると増える脂肪細胞からたくさん分泌されることがわかってきました。
必要以上にエストロゲンが分泌されると、悪さをして、子宮の奥の子宮体部が異常に厚くなり、がんの発生につながるのです。

二見いすず: 脂肪の多い食事を避けて、肥満予防をこころがけることも必要ですね。

福元清吾Dr: はい。その通りです。
また、基礎体温をつけることをお勧めしたいと思います。
月経の管理や、排卵の有無などを自分でチェックすることができますし、日ごろからリズムを把握しておくと、異常が起こったとき気づきやすいと思いますので、ぜひ習慣にしていただきたいと思います。

二見いすず: そうですね。

福元清吾Dr: また、閉経前後の方が、子宮がんによる不正出血を、閉経によるリズムの乱れ、と思い込んで、そのままにしてしまい、がんが進行してしまうというケースもありますので注意していただきたいですね。

二見いすず: 思い込みなどで、判断してしまうのはとても危険ですね。
リズムが乱れたり、不正出血があったりした場合は、すぐに検診を受けるようにしたいものですね。

福元清吾Dr: そのとおりです。
子宮がんは、早期発見すれば治療できる病気です。
検診をこまめに受けて、大切な健康を守っていただきたいと思います。

二見いすず: 福元さん、2週にわたり、貴重なお話をありがとうございました。

福元清吾Dr: ありがとうございました。