2007.8.4            第223回放送分『熱中症』 ゲスト:有村敏明ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、「がん検診」をテーマに、鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターにお話を伺ってまいります。
瀬戸山さん、どうぞよろしくお願いいたします。

瀬戸山史郎Dr: はい、よろしくお願いいたします。

二見いすず: がんといいますと日本人の死亡原因の1位となっている病気ですが、まずは鹿児島県のがんの現状についてお話いただけますか。

瀬戸山史郎Dr: はい。
鹿児島県では年間約5,000人の方が、がんで亡くなっていて、全国と同じく、鹿児島県でも病気としての死亡原因のトップです。
がんの中でも死亡原因としては、男女とも肺がんがトップで、その他に多いのが大腸がん、胃がん、肝がんです。
特に、働き盛りの40代、50代のがん死亡が多いようです。

二見いすず: がんといっても体の部位によって発生率もさまざまなんですね。
そして、働き盛りに多いということですから、気をつけたいものです。
では、がんから身を守るために、私達ができる予防法といったものはありますでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: がんを防ぐためには、一次予防、二次予防が重要と言われています。
一次予防というのは日常の生活習慣を改善することです。
脂肪の摂り過ぎは大腸がんや乳がん、前立腺がんの原因となります。
また、塩分を控えることも大切です。
反対に、ビタミンC、ビタミンEやベータカロチンなどは、がんに対して予防作用がありますので、野菜や果物を積極的に摂取するよう、心がけてください。

二見いすず: 食事に気をつけることが大切なのですね。

瀬戸山史郎Dr: そうです。
鹿児島県の肺がんにかかる男性は、8割が喫煙しています。
つまり、肺がんには喫煙率が大きく関わっていると考えられます。
たばこは、吐き出す煙がガンの発生に関わりますので、自分だけではなく、周りの家族などにも、影響を与えます。
ぜひ禁煙をこころがけていただきたいものです。

二見いすず: そうですね。
では、お酒はいかがでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: お酒は適量を守ってほどほどに飲むことです。
焼酎ですと、一日0.6合程度。
つまり、6:4で飲むとよいでしょう。
ビールは、中瓶1本分を目安としてください。
あとは適度にスポーツをしたり、日常生活に『笑い』を取り入れたりして、ストレスを溜め込まないことも大切ですね。

二見いすず: そうですね。
まずは身近な生活習慣、食習慣を改善することが、がんにかかりにくい体つくりに役立つのですね。

瀬戸山史郎Dr: そのとおりです。
また、二次予防というのは、早期発見・早期治療に努めることです。
現在は早期発見、早期治療ができれば、治癒率も高く、生存率も上昇します。
それに、早期がんは進行がんに比べて医療費も非常に安くすむので、経済的にも負担が少ないというメリットもありますので、がん検診を積極的に受けていただきたいと思います。

二見いすず: そうですね。
自覚症状が出てきたときには、かなり進行していたということもありえます。
自覚症状はなくても、必ず検診を受けることを習慣にしていきたいものですね。
今日はがんを防ぐための一次予防、二次予防についてのお話をしていただきました。
来週からは、部位別のがんについて詳しくお話をしていただきます。
鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターにお話を伺いました。
ありがとうございました。

瀬戸山史郎Dr: ありがとうございました。