2007.8.4            第223回放送分『熱中症』 ゲスト:有村敏明ドクター



二見いすず: 先週から「がん検診」をテーマにお送りしています。
今週も鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターをお迎えしています。
瀬戸山さん、どうぞよろしくお願いいたします。

瀬戸山史郎Dr: どうぞよろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、がんを防ぐためには生活習慣を改善する一次予防、早期発見、早期治療に努める二次予防が大切という全体的なお話を伺いましたが、今週からは、部位ごとにお話を伺います。
まず、「胃がん」について、お話をお願いします。

瀬戸山史郎Dr: 先週、がん死亡原因のトップは肺がんというお話をしましたが、実は、がんの中で一番多いのが胃がんなんです。

二見いすず: そうなんですか。
胃がんになってしまう要因にはどんなことがあるのでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: いろいろな研究結果から、やはり塩分の過剰摂取が大きな原因として挙げられています。
塩辛いもの、塩分の高いものは控えるようにすること。
それから、焼肉や焼き魚などの焦げた部分は食べないようにする、熱いものは少し冷ましてから食べることも大切です。

二見いすず: 外食が続くと、味が濃いものが続いたりすることもあるかもしれません。
やはり、塩分には気をつけないといけませんね。
そして、いろいろな食材でバランスよく栄養を摂ることも大切なんでしょうね。

瀬戸山史郎Dr: その通りです。
特に、胃がんの原因の一つには野菜や果物の不足が挙げられています。
ほうれん草やニンジン、カボチャ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜には発ガン予防作用のあるβカロテンが多く含まれています。
また、果物のビタミンCやミネラルも有効です。
野菜は1日に350g以上、その中でも緑黄色野菜は120g以上、果物は1日に200g以上摂るのが理想的と言われています。
鹿児島は野菜や果物の生産も多く、おいしい食材が豊富に手に入りやすいので、ぜひ県民のみなさんには、たくさん食べていただきたいと思います。

二見いすず: そうですね。
食生活は心がけ次第で随分変わってくるものだと思いますので、ぜひ積極的に野菜や果物を食べていただきたいですね。
そして、食生活の改善も大切ですが、なんといっても早めの検診、これが大切ですね。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。
特に胃がんは、早期の段階で発見されれば、比較的治癒しやすいがんなんです。
がんの予後、これは、手術してから5年後も生存している方の確率のことですが、検診で発見される胃がんの場合、5年生存率は約90%と非常に高いんですよ。

二見いすず: 検診を受けて早期発見、早期治療ができれば、それだけ治る可能性も高くなるということですね。

瀬戸山史郎Dr: はい。
早目に検診を受けていただく、これに尽きます。

二見いすず: わかりました。
お話は鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターでした。
来週もよろしくお願いいたします。
どうもありがとうございました。

瀬戸山史郎Dr: ありがとうございました。