2007.8.4            第223回放送分『熱中症』 ゲスト:有村敏明ドクター



二見いすず: 11月は「がん検診」をテーマにお送りしています。
今週も鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターにお話をうかがいます。
瀬戸山さん、どうぞよろしくお願いいたします。

瀬戸山史郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: さて、最終日の今日は、大腸がんについてお話をうかがいたいと思います。

瀬戸山史郎Dr: 実は、大腸がんは、早期発見率が子宮がんに次いで高いがんなんですよ。
5年生存率も子宮がんの99%についで96%という高い結果も出ていますので、見つけやすくて、治りやすいがんといえると思います。

二見いすず: なるほど。
では、きちんと検診を受けて調べれば、発見されて、治る可能性が高いんですね。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。
大腸がんの検診では、まず、便の中に混じる血液を調べます。
その検査で、異常があると、次に精密検査を受けていただくことになります。

二見いすず: 精密検査というと、どんな検査になりますでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: はい。精密検査は、大腸の中を内視鏡で診る検査などがあります。

二見いすず: そういった検査を受けることが、早期発見につながるのですね。

瀬戸山史郎Dr: その通りです。
ご家族の中に大腸がんや大腸ポリープの人がいる、非常に高脂肪食、肉類などの高たんぱくの食習慣が長い人などは、大腸がんにかかりやすいと言われています。
また、自覚症状としては、下痢と便秘が交互にきたり、便に粘液が混じったり、血便が出たりということがあげられます。
これらの生活習慣がある方や、自覚症状に心当たりのある方は、特に検診を強くおすすめいたします。

二見いすず: よく分かりました。
では、日常生活の中で、大腸がん予防のためにできることは何ですか。

瀬戸山史郎Dr: はい。がん予防全般的に言えることですが、黄緑色野菜など、野菜をたくさんとっていただきたいということ。
特に大腸がん予防には、食物繊維をたくさんとることが大切です。
鹿児島では1日13.7g摂取されていますが、理想は20g以上です。

二見いすず: やはり、野菜と食物繊維の豊富な食生活が大切なんですね。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。
二見いすず: 今月は4週にわたり、がんについてのお話を伺ってまいりました。
まとめとしましては、医療技術の進歩もあり、がんにかかっても、早期に発見されれば、治る可能性も高くなっているということですので、ぜひこまめに検診を受けるということが大切ですね。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。
生活習慣も見直すという一次予防、そして、早期発見・早期治療を行うために検診を少なくとも年に1回は受けるという二次予防を心がけながら、がんに負けない健康な体をつくっていただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
瀬戸山さん、4週にわたり、貴重なお話をありがとうございました。

瀬戸山史郎Dr: ありがとうございました。