2007.8.4            第223回放送分『熱中症』 ゲスト:有村敏明ドクター



二見いすず: いよいよ12月です。
今月は、前半2週にわたり「インフルエンザ」についてお送りいたします。
鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターにお話をうかがいます。
南さん、どうぞよろしくお願いいたします。

南 武嗣Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: さて、いよいよ年末にさしかかり、インフルエンザが気になる季節到来ですね。

南 武嗣Dr: そうですね。
例年インフルエンザは、12月末から年明けの2月ごろにかけて流行するのが一般的ですが、今年は少し始まりが早いように感じられます。

二見いすず: そうですか。
では、すぐにでも予防対策を始めなければなりませんね。
まず、インフルエンザは、どのように感染するのか教えていただけますか。

南 武嗣Dr: はい。インフルエンザは、飛まつ感染と言って、患者さんのくしゃみや唾にウイルスがくっついて、人に感染していきます。
のどや気管の表面からウイルスが侵入すると、一晩で1個のウイルスが100万個にも増えるため、潜伏期間も1〜2日と短く、爆発的な感染力を持っています。

二見いすず: そうなんですね。
よく冬には人ごみを歩かないように、といわますが、インフルエンザが飛まつ感染する恐れがあるからなのですね。

南 武嗣Dr: そうですね。
インフルエンザの飛まつ感染を予防するには、特に手洗いが有効だといわれています。
外出先から帰ったら、まず手洗いを、そしてうがいをするという習慣をつけましょう。

二見いすず: 分かりました。
でも、爆発的な感染力を持つインフルエンザですから、やはり、予防接種もしておいた方がよろしいですよね。

南 武嗣Dr: はい、その通りです。
予防接種は、できる限り受けていただくことをお勧めします。
予防接種をしたからといって、インフルエンザに完全にかからなくできるというわけではないのですが、かかっても症状がかなり軽減され、治りも早くなります。
特に、小さい子どもさんやお年寄りなどは、予防接種を受けていない場合、症状が重症化し、最悪の場合は、インフルエンザ脳症や肺炎で死に至る場合もあるので気をつけていただきたいです。

二見いすず: 死に至る場合もあるというから、深刻ですね。

南 武嗣Dr: そうなんです。
だからこそ、予防接種が大切なのです。

二見いすず: ただ、予防接種をしてもしばらくは抗体ができないと聞いたことがあります。

南 武嗣Dr: そうです。
インフルエンザは、予防接種を受けてから、抗体ができるまでは、約4週間かかります。
つまり、きちんと効果が出てくるのは、接種して1ヶ月後ということになります。

二見いすず: そうなんですか。
では、できるだけ早く接種して備えたいですね。

南 武嗣Dr: そうですね。
ただし、最近では、接種して2週間ほどでも、接種していない人よりは、症状が軽減されるという報告もあるようです。
遅すぎる、ということはありませんので、気づいたときに、できるだけ早めに接種していただければ、と思います。

二見いすず: よく分かりました。
今週は、インフルエンザの感染と予防について、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターにお話を伺いました。
南さん、ありがとうございました。

南 武嗣Dr: ありがとうございました。