『アレルギー性鼻炎』 ゲスト:内薗明裕ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、5週にわたり、「眼の病気」について鹿児島県医師会の鵜木一彦(うのきかずひこ)ドクターにお話を伺ってまいります。
鵜木さん、よろしくお願いいたします。

鵜木一彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 鵜木さん、まず、日本人がかかる眼の病気で多いものは、何でしょうか。

鵜木一彦Dr: はい。
近視、遠視、乱視などの屈折異常を別にしますと、白内障、緑内障が多いといわれています。

二見いすず: 白内障と緑内障ですね。
特にご年配の方で、白内障になったという方のお話を聞くことが多いような気がいたしますが、いかがでしょうか。

鵜木一彦Dr: その通りです。
白内障は、お年を重ねられると、程度の差はあれ、みなさんがかかる病気だといえます。

二見いすず: つまり、加齢による眼の病気ということでしょうか。

鵜木一彦Dr: はい。そういうことになります。
髪が白髪になったり、お顔にしわが増えたりする加齢現象が、眼にも起こるというわけです。
また、ごくまれにですが、糖尿病やアトピー性皮膚炎、ステロイドというお薬の合併症として、若い方に発症する場合もあります。

二見いすず: なるほど。
では、白内障は、具体的には、どんな病気なのでしょうか。

鵜木一彦Dr: はい。
人間の眼の茶色い部分、瞳の奥には、透明な水晶体があります。
目はよくカメラにたとえられますが、水晶体は、カメラのレンズにあたります。

二見いすず: なるほど。

鵜木一彦Dr: このレンズの部分である水晶体が、にごってきて、光をうまく通せなかったり、光が乱反射して網膜にきちんと画像を結べなかったりして、まぶしさ、かすみ、視力が低下していくが白内障なのです。

二見いすず: なるほど。
では、具体的には、どんなシーンで自覚症状があるのでしょうか。

鵜木一彦Dr: 例えば、夜間に車を運転して以前に比べて対向車のライトをまぶしく感じたり、明るいところをまぶしく感じたり、白っぽく感じてかすんで見えたりします。

二見いすず: そうなんですね。
そういった自覚症状がでましたら、やはり治療を行った方がいいのでしょうか。

鵜木一彦Dr: それは、ケースバイケースです。
さきほど申し上げましたように、白内障とは、だれにでも起こる加齢現象の一つです。
医療機関で検査を受けて、まぶしさやかすみの原因が、白内障と診断された方で、車を運転する機会が多いとか、テレビや新聞をはっきり見たいという希望がある方は、完治する外科治療をおすすめします。
また、現在は生活に支障はないのでそのままでいいという方は、点眼薬で進行を遅らせる方法などをご紹介しています。

二見いすず: その方のライフスタイルなどによって、いろいろな方法があるのですね。

鵜木一彦Dr: そうですね。
例えば、髪の毛が白髪になったからといって、染める方と染めない方がいらっしゃいますよね。
白内障も同じことがいえます。
もし白内障が進んだとしても、まったく失明するということではありませんから、治療するかどうかは、その方が日常生活でお困りかどうかによるということですね。

二見いすず: よく分かりました。
では、来週は引き続き、白内障の治療について、詳しくうかがいたいと思います。
鵜木さん、本日はありがとうございました。

鵜木一彦Dr: ありがとうございました。