『アレルギー性鼻炎』 ゲスト:内薗明裕ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、「眼の病気」について鹿児島県医師会の鵜木一彦(うのきかずひこ)ドクターにお話を伺っております。
鵜木さん、今週もよろしくお願いいたします。

鵜木一彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週までの2週は、白内障についてうかがいました。
今週からは、白内障に次いで多いとされる、緑内障について伺います。
まず、緑内障とは、いったいどういう病気なのでしょうか。

鵜木一彦Dr: はい。
40歳以上の日本人の20人に1人は緑内障だといわれています。

二見いすず: そんなに多いのですね。

鵜木一彦Dr: そうなんです。
症状としては、視野が狭くなる病気で、目の中の視神経や網膜が悪くなっていくためにおこります。
昔は“あおそくひ”と呼ばれていました。
以前は、眼の中に流れる「房水(ぼうすい)」という液体が眼の内側にたまってしまい、眼圧(がんあつ)が高くなることが原因とされていましたが、現在では、眼圧の高くない緑内障もあることが分かっています。

二見いすず: なるほど。
視野が狭くなるというのは、自分で分かるものでしょうか。

鵜木一彦Dr: 緑内障には、二通りありまして、急性の緑内障と慢性の緑内障があります。
急性の場合はある日突然、眼が赤くなったり、かすみが起こったり、見えないと感じたり、目の痛みや頭痛、吐き気がおこるので、当然自覚できます。
しかし、慢性の場合は、少しずつ視野が狭くなってくので、変化に気づきにくいです。

二見いすず: 急性の場合は、もちろんすぐに病院へ行かなくてはいけませんよね。

鵜木一彦Dr: そうです。
視神経や網膜が一度傷ついてしますと、もとに戻す方法がないのが現状です。
ですから、とにかく少しでも早く病院へ行き、眼圧を下げる治療を受けていただきたいと思います。

二見いすず: 少しでも早く損傷をくいとめることが大切、ということですね。

鵜木一彦Dr: そうですね。

二見いすず: 分かりました。
では、慢性の場合は、まずは緑内障であることに気づくことが必要になりますね。

鵜木一彦Dr: そうですね。
症状としては、視野、つまり見える範囲が狭くなるのですが、一般に視野ということが知られておらず、ゆっくり狭くなるため、かなり進行しないとご自分では気づかないケースがほとんどです。

二見いすず: それでも、なんとか、早期で発見できればと思うのですが。

鵜木一彦Dr: そうですね。
早期に発見できれば治療法もありますので失明に至ることは少ないわけです。
定期健康診断で見つかったり、ほかの眼の病気で眼科を受診したときに偶然発見されたりという方が多いようですので、定期的に眼底検査などの目の健康診断が必要だと思います。

二見いすず: そうなんですね。
では、健康診断を受けるときも、緑内障のことも自分で意識しておくことが大切ですね。

鵜木一彦Dr: そうですね。
家族に緑内障の患者さんがいらっしゃる方や緑内障が心配だと思う方は、その旨、医療機関でおっしゃってみられるといいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
鵜木さん、本日もありがとうございました。

鵜木一彦Dr: ありがとうございました。