『アレルギー性鼻炎』 ゲスト:内薗明裕ドクター



二見いすず: 今月は、小児救急について、鹿児島県医師会の松藤凡(ひろし)ドクターにお話を伺います。
松藤さん、よろしくお願いいたします。

松藤凡Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: まず、小児といいますと、どのくらいの年齢層のお子さんのことを言うのでしょうか。

松藤凡Dr: はい。15歳までのお子さんのことを言います。

二見いすず: やはり大人とは違う医療が必要なのでしょうね。

松藤凡Dr: そうですね。
私たちは、よく「子どもは大人のミニチュアではない」とお話するのですが、子どもの体は、大人の体をそのまま小さくしたものではないということなのです。
成長に伴って、各臓器の働きが刻々と変化し、大人の体へ近づいていく訳ですからね。

二見いすず: ということは、成長の過程に応じて、医療もきめ細やかな対応が必要となってくるのですね。

松藤凡Dr: そうですね。
成長期のお子さんは、それぞれの年齢に応じて臓器の働きが異なります。
また、成長する体ですから、将来を見込んで治療をすることが大切です。
例えば、赤ちゃんの腎臓は水分を保持する力が弱いので脱水になりやすいですし、気道も細くて弱いので呼吸管理にはとても気を使います。

二見いすず: なるほど。

松藤凡Dr: 先程、15歳までを対象と申し上げましたが、子どものときにかかった病気やけがが大人になっても続く場合は、小児医療の専門家がその病気を引き続き診る場合もあります。
治療が済んだ子供たちがちゃんと成長してゆくことを見守る必要があります。

二見いすず: そうなんですね。よく分かりました。
では、小児医療の中でも、小児救急というとどういうケースが多いのですか?

松藤凡Dr: はい。
極端な言い方をすれば、お子さんの病気やけがは、ほとんどが救急なんですね。
自分の体の具合を言葉で説明できない年齢のお子さんなどは、状態が悪くなってから、泣き出したり機嫌が悪くなったりして、お母さんが「おかしいな」と気付いて病院へ、ということがほとんどですからね。

二見いすず: 赤ちゃんは、「具合が悪い」とか「ここが痛い」とか、説明できませんものね。

松藤凡Dr: そうですね。
だからこそ、親御さんとしては、子どもさんがどういう状態か分かりにくいので、不安になり、夜間救急へ駆け込んでこられるというケースも多いようです。

二見いすず: 働いているお母さんも増えていますから、病気の発見が夜になる場合も多いかもしれませんね。
実際、夜間救急にいらっしゃるケースで、救急の対応が必要な患者さんはどのくらいなのですか?

松藤凡Dr: そうですね。
実は、夜間救急にいらっしゃるケースで、入院などの本当に緊急の治療が必要な重症のお子様は5〜6%というデータもあります。

二見いすず: そうなんですか。
約5%とは驚きました。
では、小児救急のことをもう少し知れば、もしかしたら落ち着いて対応できるケースも増えるかもしれませんね。
来週はより詳しくうかがいます。
ありがとうございました。

松藤凡Dr: ありがとうございました。