二見いすず: | 今月は、小児救急について、鹿児島県医師会の松藤凡(ひろし)ドクターにお話を伺っています。 松藤さん、今週もよろしくお願いいたします。 |
松藤凡Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 先週までのお話で、小児の病気やけがなどは、予測がつかず、急変する場合も多いと伺いました。 そうなると、予防することも難しいですね。 |
松藤凡Dr: | そうですね。 ただし、小児救急で一番多いのが発熱ですが、原因が髄膜炎だった場合が一番心配です。 細菌性髄膜炎の原因の6割を占めるインフルエンザ菌に効果がある、ヒブワクチンというワクチンが、今年の6月ごろから任意で接種できるようになります。 ちなみにインフルエンザ菌は、いわゆる風邪のインフルエンザの原因ではありません。 |
二見いすず: | そうなんですね。 |
松藤凡Dr: | このような予防接種は、病気にかかりにくくなったり、かかっても重症化することを防ぐために大切ですので、ぜひ、心がけていただきたいと思います。 |
二見いすず: | 分かりました。 |
松藤凡Dr: | また、予防できる事故に、異物を間違って飲み込んでしまう「誤飲(ごいん)」があります。 |
二見いすず: | 例えば、どんなものを飲み込んでしまうのでしょうか。 |
松藤凡Dr: | 口に入る物でしたら、なんでも飲み込んでしまいますが、特に注意していただきたいのが、ボタン電池です。 |
二見いすず: | 今、カメラや電子計算機など、さまざまな家電製品でも使われていますね。 |
松藤凡Dr: | そうですね。 この電池を飲み込んでしまうと、体内で腐食し、化学物質がとけだして、胃や食道に穴が空いてしまいます。 |
二見いすず: | えっ、穴が開いてしまうのですか。 それは、大変なことですね。 |
松藤凡Dr: | 誤飲に気付いたら、すぐに消防署へ連絡をして、指示を仰いでください。 |
二見いすず: | 対応は指示を聞いてから、的確に、ということですね。 |
松藤凡Dr: | そうですね。 ただし、子どもが電池をすんなりと飲み込んでしまった場合は、電池の腐食が始まる前の時間は、子ども自身も痛がったりしませんし、親御さんも気付かないというケースもあります。 |
二見いすず: | 子どもの近くに口に入る大きさのものを置かないことを、徹底したいですね。 |
松藤凡Dr: | そうですね。 電池の数を把握しておき、異常に気付くことが大切です。 そのほかに、誤飲で多いものにたばこがあります。 |
二見いすず: | たばこの吸い殻を食べてしまうのでしょうか? |
松藤凡Dr: | 吸い殻ももちろん危険ですが、多くの場合口に入れても、吐き出してしまう可能性が高く、中毒までには至らない場合がほとんどです。 特に注意が必要なのは、灰皿の水です。 実は、吸殻を浸けた水にはニコチンが高濃度で溶け出していて、それを飲んだ場合、体に吸収されやすいこともあり、急性ニコチン中毒になり、重症に至る場合もあるんです。 |
二見いすず: | よくわかりました。 十分に注意したいものですね。 松藤さん、今週もありがとうございました。 |
松藤凡Dr: | ありがとうございました。 |