『アレルギー性鼻炎』 ゲスト:内薗明裕ドクター



二見いすず: 4回にわたり食中毒について鹿児島県医師会の徳田浩一(とくだこういち)ドクターにお話を伺っています。
徳田さん今日もよろしくお願いいたします。

徳田浩一Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週まで、サルモネラ、カンピロバクター、腸炎ビブリオについて伺いました。
今週は、黄色ブドウ球菌についてお願いいたします。

徳田浩一Dr: はい。
次に、黄色ブドウ球菌についてですが、これは、人の体に普通に住み着いている菌です。

二見いすず: えっ、そうなんですか。
では、どうすれば防げますか。

徳田浩一Dr: はい。
基本的なことですが、調理の前には石けんと流水でしっかり手を洗うこと。
そして、おにぎりなどを握る時は、ラップをして握る方がより安全でしょう。

二見いすず: そうなんですね。
潜伏期間はいかがですか。

徳田浩一Dr: はい。
菌が出す毒素で症状が出るため、2時間から5時間くらいと短いです。
症状は嘔吐、下痢で、発熱は無い場合が多いようです。

二見いすず: わかりました。
では、病原性大腸菌についてお願いします。

徳田浩一Dr: はい。こちらは、家畜の腸についている菌です。
有名なのは、O−157などですね。
こちらも、75度・1分以上の加熱で殺菌できます。
特にミンチなどを使った料理、例えばハンバーグなどは中までしっかり火を通していただきたいと思います。
牛肉のさしみや生のホルモンは、こどもやご年配の方は避けて頂ければと思います。

二見いすず: わかりました。

徳田浩一Dr: 症状としては、下痢、嘔吐、腹痛があり、発熱も見られます。
O−157などは、ひどい血便が出る場合もあります。

二見いすず: そうなんですね。
では、最後にノロウイルスについてお願いします。

徳田浩一Dr: はい。
ノロウイルスは、冬場が多いのですが、最近は一年中出るようになりました。
主にかきなどの二枚貝に多いと言われています。
少数のウイルスでも発症しやすく、感染力が強いので、広がりやすいのです。
こちらは、85度以上で十分に中まで加熱調理することと、感染した人の嘔吐物や排泄物にもウイルスが大量に入っているので、後始末にも注意が必要です。

二見いすず: はい。後始末と言いますと。

徳田浩一Dr: はい。
感染した人の嘔吐物や排泄物がついたものは、熱湯に浸したり、家庭用の塩素系消毒剤で消毒するなどしていただきたいと思います。
また、十分に洗えない布団などは、アイロンの高熱を当ててもいいでしょう。

二見いすず: よくわかりました。

徳田浩一Dr: 食中毒予防の3原則は、つけない、ふやさない、やっつけるです。
注意が必要な食品を知り、加熱をしたり、きれいに洗ったりして、注意しながら、食中毒を予防していただきたいと思います。
また調理の前後と食前の十分な手洗いや、こまめな調理器具の洗浄と消毒も、とても大切です。

二見いすず: よくわかりました。
これからの時期、加熱調理、手洗いなどに気をつけながら暮らしたいものですね。
また、下痢、腹痛、嘔吐などが出た場合は、食中毒の可能性があるので、最近食べたもののメモ等を準備して、医療機関へ相談してみてください。
徳田さん、4週にわたり、貴重なお話をありがとうございました。

徳田浩一Dr: ありがとうございました。