『性感染症』 ゲスト:波多江正紀ドクター



二見いすず: 7月に入りました。
今月は、性感染症について鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえまさゆき)ドクターにお話を伺います。
よろしくお願いいたします。

波多江正紀Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 性感染症とは、どのような病気のことをいうのでしょうか。

波多江正紀Dr: はい。
性感染症とは、性的接触を介してうつるさまざまな病気の総称です。
代表的なものに、「クラミジア」「性器ヘルペス」「淋病」「コンジローム」「梅毒」「トリコモナス」などが挙げられます。
また、「エイズ」なども含みます。
治療を怠ると、全身性疾患へ進んでしまうこともあります。

二見いすず: それは怖いですね。
では、性感染症にかかると、どのような症状が表れるのですか。

波多江正紀Dr: はい。
女性の場合は、おりものが増えたり、イボができたり、炎症を起こしたりします。
特にクラミジアに感染すると、下腹部に痛みを感じたりすることも多くなります。
それ以外の性感染症は、初期には自覚症状がほとんどないというケースも多くあり、感染しても自分が気づかないというパターンも多いようです。

二見いすず: ほとんど自覚症状がないということは気がつきにくくて、発見されにくいということですね。
それはちょっと怖いことですね。

波多江正紀Dr: そうですね。
1週間ほど潜伏期間があるケースもあるということも、知っておいていただきたいですね。
発症しない期間に、悪意はなくても、知らず知らずのうちに病気を蔓延させている可能性もあるわけです。

二見いすず: なるほど。

波多江正紀Dr: 自分自身、もしくはパートナーが不特定多数の人と性的接触を持っていると、その中に感染症の人が一人でもいれば、感染が広がってしまう訳ですね。

二見いすず: なるほど。
最近は性感染症の例というのは、増えているのでしょうか。

波多江正紀Dr: そうですね。
ここ15年くらいで、急激に増えています。
しかも、若い年齢層の特に女性の方に増えています。
特にクラミジアが多いようです。

二見いすず: なぜ、女性が増えているのでしょうか。

波多江正紀Dr: そうですね。
1人の男性が、多くの女性と性交渉を持っているというケースが多いのが、原因の一つかもしれません。
クラミジアは、炎症が起き、卵管が詰まり、不妊や子宮外妊娠の原因にもなる深刻なもので、もし妊娠して子どもが生まれても、子どもの体に影響を与えてしまう可能性もあります。
つまり、性感染症は一般的に考えられているよりも怖い病気だということをしっかり認識していただき、男性も女性も注意していただきたいものです。

二見いすず: わかりました。
では、鹿児島の現状はいかがですか。

波多江正紀Dr: 情報化社会の影響もあるかもしれませんが、疾患数、疾患パターンに地域差はありません。
残念ながら、鹿児島でも全国と同じように、多くの症例が報告されています。

二見いすず: 首都圏などと地域差がなく、鹿児島でも多くの例が報告されているとは、本当に驚きますね。
では、来週も引き続き、性感染症についてお話をお願いしたいと思います。
ありがとうございました。

波多江正紀Dr: ありがとうございました。