『性感染症』 ゲスト:波多江正紀ドクター



二見いすず: 今月は性感染症について、鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえまさゆき)ドクターにお話を伺っています。
よろしくお願いいたします。

波多江正紀Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週、先々週と、性感染症の例や予防法についてお伺いしました。
今週は、性感染症の低年齢化について伺います。性感染症が、若い人の間でも広がっているそうですね。

波多江正紀Dr: そうですね。
10代から20代にかけての低年齢層の性感染症が増えています。
情報が氾濫する時代において、性に対してのハードルが低くなってしまい、若い人たちの性行動が進んでいるというのが原因でしょう。

二見いすず: 10代も多いのですか。
それは、驚きですね。

波多江正紀Dr: そうですね。
実際に、夏休みが終わり、秋口になると、感染症ばかりでなく若年者の子宮外妊娠の例が増えます。
これは、クラミジアという性感染症が関わっていることが多く、卵管が詰まったり、子宮外で妊娠してしまった為に起こる病気です。
夏休みだからといって開放的になるのはぜひぜひ気をつけていただきたいと思います。

二見いすず: それは、ショックですね。
では、どうやって防いだらいいのでしょうか。

波多江正紀Dr: そうですね。
実際に感染した若い人の話を聞きますと、あまりに無防備だという印象があります。
学校の性教育などでコンドームのことは知っていても、正しい使い方を知らないケースも多いです。
いざとなったら持っているのに使わないという困った例もあります。
性感染症予防については、性行為を行わないのが一番ですが、もし行うとすれば、コンドームを始めから正しく使えるということが大切だと思います。

二見いすず: 正しい知識を持つことが非常に大事ですね。
保護者の方々が何かできることはありますでしょうか。

波多江正紀Dr: そうですね。
家庭の中で話しにくいかもしれませんが、望まぬ妊娠や性感染症について、自然に話合う機会がもてたらいいと思います。
また、軽々しい行動をストップさせる抑止力の一つは、「どういう結婚をし、どういった家庭を作りたいか」という本人の理想のようなものを持っているかどうか、が大切だと思います。
自分の人生や将来の結婚について、なんらかのビジョンを描ければ、自ずと性を大切にするという意識や相手に対する思いやりが芽生えるのではないでしょうか。

二見いすず: なるほど。
理想を描くことが、軽はずみな行動を防ぐことができる、ということですね。

波多江正紀Dr: そのとおりです。
できるだけ、子どもたちが理想を描きやすいような環境を作ってあげてほしいと思います。

二見いすず: よくわかりました。

波多江正紀Dr: 性は人生のトータルな問題です。
若い人々もその影響の大きさを認識して、性を大切にしていただけるといいと思います。

二見いすず: そうですね。
本人が意識を持つことはもちろん、保護者としては、家庭でも自然に話し合えるような雰囲気づくりや、将来のビジョンを作る手助けをすることも大切ですね。

波多江正紀Dr: そうですね。

二見いすず: お話は、鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえまさゆき)ドクターでした。
ありがとうございました。

波多江正紀Dr: ありがとうございました。