『性感染症』 ゲスト:波多江正紀ドクター



二見いすず: 今月は性感染症について、鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえまさゆき)ドクターにお話を伺っています。
本日はエイズについてお話を伺います。
よろしくお願いいたします。

波多江正紀Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: エイズは、報道等でよく耳にするのですが、実際はどういう病気なのでしょうか。

波多江正紀Dr: はい。
エイズは、HIVというエイズウィルスが感染して、生体内の免疫担当細胞を破壊し、免疫機能を極度に低下させる病気です。
免疫機能が低くなると、さまざまな外敵から自分の体を守れなくなり、重症の感染症や癌にもかかりやすくなり、放置しておくと最終的には死にいたることもある病気です。

二見いすず: 死にいたることもあるとは、本当に怖いですね。
どういった経路で感染するのでしょうか。

波多江正紀Dr: 主に性交渉や血液を介して感染します。
血液感染としては、最近は献血血液のすべてが厳重な検査により最高水準の安全性が確保されています。
しかしながら、極めて稀とはいえ、感染の可能性を完全に排除することはできません。
そこで、輸血を受けた方が一定期間をおいて検査を受けるというシステムもできています。

二見いすず: なるほど。

波多江正紀Dr: また、母子感染、母親から赤ちゃんへ感染するパターンもあります。

二見いすず: では、日常生活でエイズウィルスの感染を防ぐにはどのような点に注意すればいいのでしょうか。

波多江正紀Dr: 性行為をするときにはコンドームをきちんとつけることが予防につながります。
感染者の血液、精液、膣分泌液に触れると感染の危険性が高くなります。
不特定多数の方との性交渉を行ったりする危険性が高まるのは、言うまでもありません。

二見いすず: なるほど。
エイズ感染について、風評のようなものもあるようですね。

波多江正紀Dr: そうですね。
エイズ感染に関して、誤った知識も多く、無用な差別が起こっているのも事実です。
お風呂に入るなどの日常生活では、感染することはないということは知っておいていただきたいと思います。

二見いすず: わかりました。

波多江正紀Dr: エイズにについては、最近、薬の開発が進み、エイズの進行を抑える新薬も出てきています。
気になることがあったら、怖がらずに、まずは検査をして、感染していたら、きちんと向き合って治療を行うことが必要だと思います。

二見いすず: よく分かりました。
では、エイズの検査はどのようにすればいいのでしょうか。

波多江正紀Dr: 鹿児島県内の最寄の保健所で相談に乗ってくれます。
各保健所で、受け付ける曜日や時間帯などが決まっています。
最初から最後までプライバシーも守ってくれます。
昨年度は、鹿児島県全体で約1200人もの方が検査を受けていますので、気になる方は、ぜひ検査を受けていただきたいと思います。

二見いすず: わかりました。
今月は性感染症について鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえ まさゆき)ドクターにお話を伺いました。
貴重なお話をありがとうございました。

波多江正紀Dr: ありがとうございました。