『熱中症』 ゲスト:有村敏明ドクター



二見いすず: 今月は、「熱中症」について、鹿児島県医師会の有村敏明(ありむらとしあき)ドクターにお話を伺っています。
有村さん今週もよろしくお願いいたします。

有村敏明Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は、運動時、労働時の熱中症についてお願いいたします。

有村敏明Dr: はい。
はつらつとスポーツを楽しまれるのは、大変いいことですが、運動すると、筋肉で大量の熱が発生するので、それだけ熱中症の危険が高くなることも忘れてはいけません。

二見いすず: そうなんですね。

有村敏明Dr: はい。
この時期の運動は、熱中症予防も意識することが大切です。
個人で楽しむスポーツでしたら、調整がしやすいのですが、クラブ活動などの団体スポーツになると、なかなか難しい場合もあります。
ぜひ、管理者の方も、熱中症の観点を忘れず、指導していただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
では、具体的にはどのようなことに注意したらいいのでしょうか。

有村敏明Dr: はい。
日本体育協会が出している、熱中症予防のための運動指針というものがあります。
WBGTという暑さ指数があるのですが、その指数によって、運動を中止したほうがよいとか、警戒して積極的に休憩しながら運動した方がよいなどと規定してあります。
WBGTについては、環境省のホームページに出ていますので、参考にしてみてください。

二見いすず: 暑さ指数なども参考にしながら、運動のメニューを考えるといいですね。

有村敏明Dr: そうですね。
また、もちろん、水分補給も大変重要です。
休憩を30分に1回はとるようにします。
運動の前と後に体重を計ると、前後で体重減少した場合、水分が失われて減ったと考えられますので、同量以上の水を飲んで、水分量を調節することが必要です。
長時間の運動で汗をたくさんかく場合には、塩分の補給も必要です。
1リットルの水に1〜2グラムの食塩を加えるか、スポーツドリンクなどもいいでしょう。

二見いすず: よくわかりました。
また、この時期に、屋外で働かれている方々も、ずいぶん大変なのではと思うのですが。

有村敏明Dr: そうですね。
実は、職場での熱中症による死亡災害も、近年多発しているというデータもあります。

二見いすず: えっつ、死亡される場合もあるんですか。
それは深刻です。

有村敏明Dr: ぜひ、個人個人で基本的な熱中症予防についてのポイントを実行していただくと共に、職場の管理者の方々も、個々の作業者に声かけをして体調観察をしたり、体調が悪そうなときは早退させるなど、きめこまかく配慮していただきたいと思います。

二見いすず: そうですね。
お仕事だから、無理を続けてしまいそうですが、命にかかわることもわすれずに、ぜひ体調をみながら、頑張っていただきたいものです。

有村敏明Dr: そうですね。

二見いすず: スポーツをされるときも、屋外でお仕事をされるときも、暑さを見極めながら、水分補給や休憩を心がけ、ぜひ、熱中症を防いでいただきたいと思います。
有村さん、今週もありがとうございました。

有村敏明Dr: ありがとうございました。