『リウマチ』 ゲスト:大坪秀雄ドクター



二見いすず: 今月は、「リウマチ」について、鹿児島県医師会の大坪秀雄(おおつぼひでお)ドクターにお話うかがってまいります。
大坪さん、よろしくお願いいたします。

大坪秀雄Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: リウマチといいますと、骨や関節などに辛い痛みが起きる病気というイメージがあります。
実際は、どういう病気なのでしょうか。

大坪秀雄Dr: はい。
二見さんがおっしゃるように、リウマチは、関節に起こる疾患です。
関節に痛みやはれが起こるだけではなく、炎症が続くことで、関節の骨や軟骨が破壊されます。
関節が破壊されると、思うように動きがとれなくなり、体を動かすことに支障をきたすということになってしまうのです。

二見いすず: やはり、関節の病気なのですね。

大坪秀雄Dr: そうですね。
また、関節そのものだけではなく、肺に病変が起こったり、リウマチによって炎症が続くことにより、血液中にはたんぱく質が作られ、その中の一つであるアミロイドタンパクが、血液によって運ばれて内臓に沈着して、悪影響を与えることがあります。

二見いすず: 関節だけではなく、合併症もあるということですね。
内蔵に悪影響とは、どのようなことでしょうか。

大坪秀雄Dr: はい。
影響が出やすいのは、肺、腎臓、腸、心臓です。
特に、腎臓と腸への影響が前面に出やすく、腎臓に出た場合は、透析を受けることになったり、腎不全になったりします。
また、腸に出た場合は、食事がとれなくなり、1ヶ月〜2ヶ月、絶食状態になったという例もあります。
肺は、リウマチによって直接起こる病変のほか、治療にともなって肺炎を起こし易くなることもあり、注意が必要です。

二見いすず: なるほど。
リウマチは関節以外にも体全体に影響がある病気なのですね。
腎不全や透析など、深刻な病気にもつながるとは驚きました。
では、リウマチの原因は何なのでしょうか。

大坪秀雄Dr: はい。
実は、リウマチの原因は、いまだにはっきりとは解明されていないんです。

二見いすず: えっ、そうなんですか。

大坪秀雄Dr: そうなんです。
現在明らかになっているのは、リウマチの患者さんの関節液中に含まれているTNF、IL1、IL6という物質を抑える治療をすると、症状が改善されることが分かっておりますので、これらの物質がリウマチのメカニズムに関係があると考えられています。

二見いすず: なるほど、そうなんですね。

大坪秀雄Dr: 原因がはっきりしていないので、予防するというのも難しいのです。

二見いすず: そうですね。
ということは、リウマチにかかってから、どのように対処するかが重要ということですね。

大坪秀雄Dr: その通りです。
リウマチの症状を感じたら、できるだけ早く医療機関へ相談し、適切な治療を受けることが大切なんです。

二見いすず: よく分かりました。
では、来週は、リウマチにかかった場合に、できるだけ早く気付くことができるように、自覚症状やチェック法などについてお話をうかがいたいと思います。
大坪さん、来週もよろしくお願いいたします。

大坪秀雄Dr: よろしくお願いいたします。