『リウマチ』 ゲスト:大坪秀雄ドクター



二見いすず: 今月は、「リウマチ」について、鹿児島県医師会の大坪秀雄(おおつぼひでお)ドクターにお話うかがっています。
大坪さん、今週もよろしくお願いいたします。

大坪秀雄Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、リウマチの早期発見・早期治療の大切さと、自覚症状のチェックポイントをお伺いしました。
今週は、リウマチにかかった場合のお薬の治療法について、お願いいたします。

大坪秀雄Dr: はい。
リウマチというと、以前は、寝たきりになってしまうというようなイメージがあったようですが、現在、治療技術が格段に進歩し、早期にきちんと治療を行えば、寝たきり状態はほぼ避けられると考えられています。

二見いすず: そうなんですね。それは、すばらしいですね。
では、具体的には、どのような治療を行うのですか。

大坪秀雄Dr: はい。
現在のリウマチ治療には、抗リウマチ薬を使った3段階の治療があります。
まず、リウマチと診断された場合は、第一段階の飲み薬「疾患修飾性抗リウマチ薬」で治療を行います。

二見いすず: はい。

大坪秀雄Dr: そして、その経過を見て、違う薬が必要と診断された場合、第二段階の薬「メトトレキサート」という免疫抑制剤で治療を行います。

二見いすず: はい。段階を追って、進めていくのですね。

大坪秀雄Dr: そうですね。
そして、それでも改善が難しかった場合、生物学的製剤という免疫抑制剤を使うという第三段階に進みます。

二見いすず: 生物学的製剤、、とは何でしょう。

大坪秀雄Dr: はい。
点滴や皮下注射で使用する薬剤で、効果が出る患者さんが多く、これまでのリウマチ治療の流れを大きく変えたものです。
リウマチによる寝たきり状態をほぼなくすることができる、というのも、この薬の存在が大きいのです。

二見いすず: 効果が高いのですね。

大坪秀雄Dr: そうですね。
現在、日本では4種類の生物学的製剤が治療に使用されていて、リウマチ患者さんの関節液中に増えるTNF,IL6という物質の働きを抑制します。

二見いすず: では、もしリウマチにかかったら、心強いお薬があるということですね。

大坪秀雄Dr: そうですね。
ただし、この生物学的製剤は、現在、保険を使っても高価なため、すべての方が使用できるとは限らないという現実もあるんです。

二見いすず: そうなんですね。
では、せっかく効果があるお薬ですから、ぜひ開発がもっと進んで、多くの患者さんに幅広く使えるような価格になっていくといいですね。

大坪秀雄Dr: そうですね。
また、痛みを和らげる消炎鎮痛剤も対症療法として、並行して使用します。
ただし、高齢者や腎障害の方には注意して処方する必要があるので、詳しくは医療機関へご相談ください。

二見いすず: わかりました。

大坪秀雄Dr: 現在、リウマチの治療は格段に進歩しています。
ただし、炎症は抑えることができても、関節が破損してしまったら、手術でなければ元に戻すことは難しいのも現実。
やはり早期発見・早期治療は徹底して心がけていただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
大坪さん、来週もよろしくお願いいたします。

大坪秀雄Dr: よろしくお願いいたします。