『リウマチ』 ゲスト:大坪秀雄ドクター



二見いすず: 今月は、「リウマチ」について、鹿児島県医師会の大坪秀雄(おおつぼひでお)ドクターにお話うかがっています。
大坪さん、今週もよろしくお願いいたします。

大坪秀雄Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、リウマチの治療の進歩について、おうかがいしました。
治療が進み、生物学的製剤というお薬の影響などで、リウマチで寝たきりになる方が激減したというのは、驚きました。

大坪秀雄Dr: そうなんです。
ただし、リウマチの炎症は治せても、炎症で破損してしまった骨は治せないので、やはり、早期発見・早期治療をお願いしたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
リウマチは、原因がはっきりとは明らかになっておらず、予防法もなかなかないと伺いました。
ただ、以前にリウマチについて、いくつか聞いたことがある件があるのですが。

大坪秀雄Dr: はい。どのようなことでしょうか。

二見いすず: はい。
リウマチは、女性に多いと聞いたことがありますが、本当ですか。

大坪秀雄Dr: はい。それは、本当です。
圧倒的に女性が多く、日本のリウマチ患者の割合は、男性1に対して、女性3〜4と言われています。

二見いすず: えっ、そんなに多いのですか。

大坪秀雄Dr: そうなんです。
発症年齢は、全年齢に及ぶのですが、女性では、特に閉経前後で発症が多いといわれています。

二見いすず: そうなんですね。

大坪秀雄Dr: はい。
また、リウマチの患者さんが、妊娠している間は、症状が一時的によくなり、出産後数ヶ月で状態が再度悪化したという例もあります。
このことからも、ホルモンのバランスも何らかの関係があるのでは、と考えられています。

二見いすず: なるほど。

大坪秀雄Dr: また、経口避妊薬、いわゆるピルも発症率を低くする可能性があるとも言われています。
ただし、リウマチ予防のためだけに、ピルを服用するべきではないと思います。

二見いすず: よくわかりました。
では、リウマチは遺伝するという話はいかがでしょうか。

大坪秀雄Dr: 遺伝については、一卵性双生児で片方が関節リウマチを発症した場合、もう一人が発症する確率は、12〜32%、二卵性双生児が発症するのは3〜6%といわれています。
つまり、遺伝の影響は、ないとはいえないが、必ずしも強く関係するものでもない、ということがいえると思います。

二見いすず: なるほど、よくわかりました。
女性はリウマチにかかることが多いというのは、事実ということで、女性の方は、自覚症状などに注意して、早期発見・早期治療を心がけたいものですね。

大坪秀雄Dr: そうですね。
また、喫煙がリウマチの発症に関係しているという説もあります。
これは、完全に結論は出ていませんが、かなり疑わしいようです。

二見いすず: わかりました。
喫煙は、ほかの病気にとっても影響があるとお聞きしますので、できるだけ控える方がよさそうですね。

大坪秀雄Dr: そうですね。

二見いすず: 今週も「リウマチ」について、お話を伺いました。
大坪さん、来週もよろしくお願いいたします。

大坪秀雄Dr: よろしくお願いいたします。