『リウマチ』 ゲスト:大坪秀雄ドクター



二見いすず: 今週からは、「子どものうつ」について、鹿児島県医師会の佐藤大輔(さとうだいすけ)ドクターにお話をうかがいます。
佐藤さん、よろしくお願いいたします。

佐藤大輔Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 最近、大人のうつについてもよく耳にするのですが、子どもにもうつがあるそうですね。

佐藤大輔Dr: はい。
あまり数は多くないと思いますが、学校でのいじめや家族関係の問題が発端となったり、過密スケジュールによってほかの子どもと交流がもてなかったりして、ストレスがたまり、不眠、食欲不振、だるいというような全身倦怠感、抑うつ気分などの症状が出る場合が増えているようです。

二見いすず: それは心配ですよね。

佐藤大輔Dr: 最近よく耳にします不登校や引きこもりなども、すべてがうつと関係があるとは限りませんが、原因の一つになっている可能性は否定できません。

二見いすず: そうなんですね。

佐藤大輔Dr: そうなんです。
子どもは、低年齢であるほど、主観的症状である抑うつ気分を表現できず、一日中何もしないでゴロゴロしている、外出しようとしない、ほとんどしゃべらないなどの自発性の低下が見られるというような症状が見られます。

二見いすず: 子どもらしくない様子ですよね・・・。

佐藤大輔Dr: でも、親御さんとしては、なんだか怠けているとか、そういった見方をしてしまう場合もあるようです。

二見いすず: そう思ってしまうかもしれませんね。

佐藤大輔Dr: そうですね。
子どもは、抑うつ気分を言葉で表現することができませんので、行動抑制と身体症状になって現れます。
さきほど申し上げたような症状をはじめ、ため息ばかりついている、突然泣き出す、強い不安を感じている、孤独感に支配されるなどの状態や、腹痛・嘔吐・食欲不振・頭痛・頭が重たいなど、また、やせるなどの消化器症状が現れたら、もしかしたらとうつの可能性を考えてみてもいいと思います。

二見いすず: なるほど。子どもにもうつがあるということ。
そして、直接的な表現で言葉にはなかなか出せないので、行動や身体の状態として出てくるということで、親御さんは、そのサインに気付いてあげることが大切ですね。

佐藤大輔Dr: そうですね。
そして症状として必ず出てくるのが、不眠または長時間眠り続ける過眠という、睡眠障害です。
この症状にも注意しておいてください。

二見いすず: はい。

佐藤大輔Dr: 親御さんは、サインを見逃さないこと。
そして、親は子どもにとって、常に安全な存在であることを忘れないでいただきたいと思います。
うつのきっかけになるようなことがないかを注意してあげて、子どものストレスを軽くしてあげる工夫を心がけてあげてください。
症状が重い場合は、まず親御さんだけでも来院され、専門医にご相談いただければと思います。

二見いすず: よくわかりました。
「子どものうつ」につきまして、鹿児島県医師会の佐藤大輔(さとうだいすけ)ドクターにお話を伺いました。
来週も引き続き「子どものうつ」について、お話をうかがいます。
ありがとうございました。

佐藤大輔Dr: ありがとうございました。