『禁煙』 ゲスト:有馬新一ドクター



二見いすず: 9月になりました。
今月は、「禁煙」について、鹿児島県医師会の有馬新一(ありましんいち)ドクターにお話を伺ってまいります。
有馬さんよろしくお願いいたします。

有馬新一Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 最近、禁煙がずいぶん広がって、私の周りでも、タバコを止める方が増えているように思います。

有馬新一Dr: いいことですね。
タバコの害について、認識してくださっている方が増えてきたからだと思います。
40年前は、成人男性の半分以上の方がタバコを吸っていましたが、最近は4人に一人まで減ってきたというデータもあります。
でもね、喜んでばかりもいられません。
女性、特に、20代女性の喫煙者が増加傾向なのは、気になるところです。

二見いすず: そうなんですね・・・。
では、禁煙について、まずはタバコの害を、きちんと知っておくことが大切ですね。
有馬さん、改めて、教えていただけますか。

有馬新一Dr: はい。
タバコを吸うと、血管が収縮して血液の流れが悪くなり、血液とともに体内に供給される酸素の量が不足します。
頭がボーっとしたり、すぐ疲れるなどの症状が現れます。
1日に20本のタバコを吸う人は、1年間でコップ1杯分の、発がん物質であるタールが体に吸収されるということになります。
ですから、20代前半に喫煙を始めた人が60歳までに肺がんになる確率は、タバコを吸わない人の約15倍というデータもあります。

二見いすず: そうなんですか・・・。
つまり、タバコを吸う人は大変なリスクを背負っていると言っていいですね。

有馬新一Dr: そういうことです。

二見いすず: また、タバコは習慣性も高いですし、長期にわたって吸い続ける方も多いのですよね。

有馬新一Dr: そうですね。
長い間の喫煙習慣は、特に全身の血管を縮めるなどの悪影響を与えることを知っていただきたいと思います。
心筋梗塞や狭心症、脳卒中などを発症するリスクが高く、肺がんや喉頭がんを始め、ガン発症のリスクを高めます。
タバコを1本吸うと、寿命が5分30秒短くなる、一生分では10年縮むといわれているんですよ。

二見いすず: そのデータは、ショッキングですね。
なんだかタバコを吸うのは命がけという感じです。
一方で、さきほど若い女性の喫煙のお話が出ましたが、美容にもかなり影響があるそうですね。

有馬新一Dr: その通りです。
喫煙によって、シミ、シワが同年代の吸わない人よりも増えるといわれています。
タバコによって、皮膚の血流が悪くなることやビタミンCが壊れるなどの影響だと思います。

二見いすず: 美容が気になる女性の方は、禁煙を考えるのもよさそうです。

有馬新一Dr: サプリメントに頼る前に、まず禁煙が先ですね。
喫煙者の中には、個人で好きで吸ってるんだからいいじゃないか、という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、自分の健康が悪化すれば家族にも迷惑をかけますし、タバコを吸う人のそばで生活している人の健康にも悪影響があることを忘れないでいただきたいと思います。

二見いすず: ほんとにそうですね。
次回は、自分が吸っていないのにタバコの煙で影響が出てしまう「受動喫煙」について伺います。
有馬さん、ありがとうございました。

有馬新一Dr: ありがとうございました。