『禁煙』 ゲスト:有馬新一ドクター



二見いすず: 今月は、「禁煙」について、鹿児島県医師会の有馬新一(ありましんいち)ドクターにお話を伺っています。
有馬さん、今週もよろしくお願いいたします。

有馬新一Dr: よろしくお願いいたします。
ところで、二見さん、今日は、COPD,つまり、慢性閉塞性肺疾患という病気についてお話したいと思いますが、この病気を知っていますか。

二見いすず: いいえ。
慢性閉塞性肺疾患という病気は、初めて耳にします。
どういった病気なのでしょうか。

有馬新一Dr: はい。
慢性閉塞性肺疾患とは、喫煙が主な原因となって引き起こされる病気です。
日本では、500万人がかかっているという調査もありますが、2005年の厚生労働省の統計では、実際に治療を受けているのは22万人と、まだまだ広く知られていない病気なのです。

二見いすず: 500万人もかかっているという慢性閉塞性肺疾患ですが、あまりまだ知られていないと・・・。
症状は、どのようなものが出るのでしょうか。

有馬新一Dr: この慢性閉塞性肺疾患は、肺に慢性炎症が生じ、これにより、肺胞の破壊や気管支粘液腺の肥大が起き、徐々に呼吸機能が低下します。
歩いたときの息切れからついには日常生活にも支障をきたすくらいの呼吸困難になり、酸素吸入が必要になるケースや、最悪の場合はやせおとろえて死に至ることもあるんです。

二見いすず: 肺に慢性炎症がおき、死に至ることもある病気とは・・・、驚きました。

有馬新一Dr: COPDとタバコ、重大な関係ですね。

二見いすず: 慢性閉塞性肺疾患は、喫煙が主な原因となっているということですが。

有馬新一Dr: はい。
慢性閉塞性肺疾患の疑いのある人の約7割はニコチン依存症です。
しかし、タバコが原因と気付いて、禁煙を考えている人は全体の15%しかいないという調査もあります。

二見いすず: ということは、慢性閉塞性肺疾患という、喫煙が大きく関係する病気にかかっていながら、禁煙の必要性を認識していない方がとても多いということですね。

有馬新一Dr: その通りです。

二見いすず: では、まず、慢性閉塞性肺疾患という、最悪の場合は死に至る病気があることを知っていただき、加えて、禁煙の必要性を改めて認識していただきたいものですね。

有馬新一Dr: そうですね。
慢性閉塞性肺疾患の原因を考えると、やはり禁煙が大変重要です。
少しでもこの病気にかかる方を減らすためには、専門医として、多くの方に禁煙を勧めていかなくては、と思っています。

二見いすず: わかりました。
まずは、タバコを吸うことが大きな原因となる、肺に慢性炎症が生じる、慢性閉塞性肺疾患という病気を知っていただき、禁煙の必要性を認識していただきたいということです。
来週は、具体的な禁煙方法について、伺います。
有馬さん、ありがとうございました。

有馬新一Dr: ありがとうございました。