二見いすず: | 今月は、「禁煙」について伺っています。最終回の今日も、引き続き鹿児島県医師会の有馬新一(ありましんいち)ドクターにお話を伺います。 有馬さん、今日もよろしくお願いいたします。 |
有馬新一Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 3週に渡って、タバコの健康への影響を伺ってきました。 それを聴いて、ぜひ禁煙したいと思われた方は、まずどのように行動すればいいでしょうか。 |
有馬新一Dr: | はい。 意志の力できっぱりと止める方もいらっしゃいますが、ニコチン依存症となるとそう簡単ではありません。 ニコチンガムやパッチなど誰でも薬局で購入できますから、そういったものを利用して、禁煙に挑戦するのもいいでしょう。 また、現在は、ニコチン依存症の方は、禁煙について健康保険が適用されるようになりましたから、専門の医療機関に通って禁煙するという方法もあります。 |
二見いすず: | 保険診療で禁煙に取り組めるんですね。 |
有馬新一Dr: | そうなんですよ。 禁煙外来でのプランは、約3ヶ月間、ドクターの指導を受けながら禁煙を目指します。 私の経験では、ドクターの示す手順どおりにやって、ちゃんと3ヶ月病院へ通った人はほぼ100%禁煙できています。 |
二見いすず: | なるほど。 専門の医療機関がサポートしてくれるということであれば、心強いですね。 禁煙に取り組むに当たって、日常生活の中での禁煙のポイントをアドバイスしていただけますか。 |
有馬新一Dr: | まずは、タバコはもちろん、灰皿、ライターなどタバコを連想させるものも身近に置かないことが大切です。 |
二見いすず: | やはり、見るとつらくなるでしょうね。 |
有馬新一Dr: | そうですね。 目に付くところにあると、どうしても吸いたくなりますから、禁煙すると決めたらきっぱりと捨てること。 もしそれでも吸いたくなったらお茶を飲む、ガムをかむ等して気を紛らわす努力をしてください。 また、ニコチンパッチを利用するのも有効です。 ニコチンパッチは、体に貼ることで、体内に少量のニコチンを取り込んで、イライラを抑えてくれるんです。 |
二見いすず: | 飲み薬もあるとか・・・。 |
有馬新一Dr: | はい。 飲み薬を使った禁煙は、新しい方法として注目されています。 ニコチンを含まない飲み薬で、イライラなどのニコチン切れの禁断症状を軽くするほか、タバコはまずいと感じたりします。 |
二見いすず: | それなら、止めやすそうですね。 |
有馬新一Dr: | はい。 いずれにしても、禁煙は本人が前向きに取り組む姿勢がまず必要です。 配偶者や子供、孫など家族のために禁煙するぞという動機のある人は違いますね。 万一、途中で挫折してしまった場合でも、自分を責めたりしないでください。 一度の禁煙ですぱっとやめられる人のほうが少ないのですから、失敗しても何度でもチャレンジすることが大切です。 ご本人も家族の方もどうぞあきらめないで下さい。 禁煙には「遅すぎ」はないのです。 |
二見いすず: | よくわかりました。 今月は、4週にわたって「禁煙」についてお話を伺ってまいりました。 有馬さん、ありがとうございました。 |
有馬新一Dr: | ありがとうございました。 |