「新型インフルエンザ」 ゲスト:西順一郎ドクター



二見いすず: 今月は、気になる新型インフルエンザについて、鹿児島県医師会の西順一郎(にしじゅんいちろう)ドクターにお話を伺います。
西さん、よろしくお願いいたします。

西 順一郎Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: まず、今年の冬、流行することが予想されている新型インフルエンザについて、今までのインフルエンザとどう違うのでしょうか。

西 順一郎Dr: はい。
これまでの季節性インフルエンザは、ほとんど同じようなインフルエンザウイルスが毎年繰り返し感染してきました。
しかし、今回の新型インフルエンザは、豚から人へ種を越えて感染したウイルスが原因になっており、ウイルス表面のたんぱく質の形が、これまでの季節性インフルエンザとは大きく変わっています。
今年春に初めて出現し、あっという間に世界中に広がりました。

二見いすず: では、新型インフルエンザの症状の特徴を教えてください。

西 順一郎Dr: はい。
主な症状は、突然の高熱、咳、のどの痛み、鼻水、鼻づまり、全身のだるさ、頭痛、関節痛などで、これまでの季節性インフルエンザとほぼ同様です。

二見いすず: では、季節性と違う点は何ですか。

西 順一郎Dr: はい。
多くの人が免疫をもっていないので、感染が広がりやすいといえます。
感染しても、多くの方は軽症で回復しますが、持病を持っている方や妊婦などの「ハイリスク者」は重症化する可能性があります。
また、「ハイリスク者」以外のこれまで健康な方でも、まれではありますが、重症化や死亡例がみられるという点が特徴です。

二見いすず: なるほど。
もともと健康な方でも注意が必要ですね。
では、重症化しやすい持病というと、どんな病気のことでしょうか。

西 順一郎Dr: はい。
新型インフルエンザに感染すると重症化しやすい可能性があるのは、「慢性の呼吸器の病気」「慢性の心臓病」「糖尿病」「肝硬変」などの患者さんやステロイドなどの免疫を抑える薬を飲んでいる方などが挙げられます。

二見いすず: もともと持病として「慢性の呼吸器の病気」「慢性の心臓病」「糖尿病」「肝硬変」などをお持ちの方やステロイドなど免疫を抑える薬を飲んでいる方は、新型インフルエンザの重症化に注意、ということですね。

西 順一郎Dr: はい。
また、妊婦さん、5歳以下の乳幼児、そして高齢の方も同じく「ハイリスク」者として、十分に注意していただきたいと思います。

二見いすず: わかりました。
では、西さん、今回の新型インフルエンザでは比較的若い方が重症化していると聞いたことがあるのですが、いかがですか。

西 順一郎Dr: はい、その通りです。
これまでの季節性インフルエンザに関連した死亡者は、乳幼児や高齢者がほとんどだったのですが、今回の新型インフルエンザでは、小学生から比較的若い世代にも重症者や死亡者がみられています。
元気なこどもや働き盛りの人も重症化する可能性があることから、社会的にも大きな影響を与えそうです。

二見いすず: よくわかりました。
みんなで協力して、できるだけ感染を抑える努力をいかなくてはいけませんね。

西 順一郎Dr: そうですね。

二見いすず: 今週のドクタートークは、鹿児島県医師会の西順一郎ドクターに新型インフルエンザついてお話を伺いました。
ありがとうございました。

西 順一郎Dr: ありがとうございました。