「新型インフルエンザ」 ゲスト:西順一郎ドクター



二見いすず: 今月は、新型インフルエンザについて、鹿児島県医師会の西順一郎ドクター(にしじゅんいちろう)ドクターにお話を伺っています。
西さん、今週もよろしくお願いいたします。

西 順一郎Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 先週は、新型インフルエンザの感染経路について伺いました。
感染は、おしゃべりやせきやくしゃみで飛んできた唾液を吸い込んでしまって感染する「飛まつ感染」と、感染した人に直接触れたり、感染した人が触れたものにさわった手で口、鼻、眼にさわってしまってうつる「接触感染」があるということでした。
今週は、これらの感染経路をふまえた上で、具体的な感染予防法についてお願いします。

西 順一郎Dr: はい。
まず、具体的な感染予防法ですが、発症した人と1メートルから2メートル以内で接するときには、マスクを着用していただきたいと思います。
また、流行期には人ごみはできるだけ避けていただき、どうしても人ごみの中に行くときはマスクを着けることも必要です。

二見いすず: はい。
新型インフルエンザのウイルスは、主に口から感染するそうですので、マスクをつけることは有効ですね。

西 順一郎Dr: そうですね。
また、患者さんの近くで使用したマスクの表面にはウイルスが付着しているので、むやみに表面を手でさわらないようにしたいですね。
できれば、使用後は使い捨てにしてください。

二見いすず: そうなんですね。

西 順一郎Dr: はい。
ただ、周囲に人がいない場所でも警戒してマスクをつけている方がいますが、このような場合は、ずっと着用する必要はないと思います。

二見いすず: そうなんですね。
場面に応じて、無理のないように予防すればいいのですね。
では、マスクのほかに予防法は何がありますか。

西 順一郎Dr: はい。やはり、手洗いが大切です。

二見いすず: 手についたウイルスを口、鼻、眼につけないためにも、手洗いが大切なんですね。

西 順一郎Dr: その通りです。
手洗いの方法は、石鹸と流水で少なくとも15秒は丁寧に洗っていただきたいですね。
指先、特に親指、指の間、手の甲、手首まで全体的に洗ってください。
手洗いはこまめに行っていただきたいですが、手あれがおきると病原体がつきやすくなり逆効果になりますので、ハンドクリームを使うなどスキンケアも心がけてください。

二見いすず: なるほど。
こまめに、そして丁寧に手洗いを行い、スキンケアも大切に、ということですね。
やはり洗う場合は、石鹸がいいのでしょうか。

西 順一郎Dr: はい。
実は、ウイルスの表面は脂質、つまり油でできているので、しっかり落とすためには石鹸を使うことが大切です。

二見いすず: なるほど、そういう理由だったのですね。
よくわかりました。

西 順一郎Dr: ただ、外出中はひんぱんに手洗いはできませんので、できるだけ口や鼻、眼を汚れた手で触らないことが大切です。
そのほか、心がけていただきたいこととして、発症してしまったら、他人にうつさないように必ずマスクをつけていただきたいですね。
マスクがないときに咳をする場合は、ハンカチやティッシュで口を覆うなど、咳エチケットを守ってくださるようお願いします。

二見いすず: 来週は、ワクチンの接種についてうかがいます。
西さん、今週もありがとうございました。

西 順一郎Dr: ありがとうございました。