『摂食障害』 ゲスト:武井美智子ドクター



二見いすず: 新しい年を迎えました。
今月のドクタートークは、「摂食障害」について、5回にわたり、鹿児島県医師会の武井美智子(たけいみちこ)ドクターにお話を伺ってまいります。
武井さんよろしくお願いいたします。

武井美智子Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: まず、「摂食障害」とは、どういった病気なのでしょうか。

武井美智子Dr: はい。
「摂食障害」とは、いわゆる拒食症や過食症のことで、食事をあまり取らなくなったり、逆に大量に食べて吐いてしまったりする病気です。

二見いすず: 拒食症、過食症という病名はときどき耳にしますね。
では、まず拒食症について、教えてください。

武井美智子Dr: はい。
まず、拒食症は、いろいろな原因で、標準体重の85%以下にやせ細ってしまう病気です。
10代の若い層に発症する例が多く、以前は思春期やせ症とも言われていました。

二見いすず: 思春期やせ症ですか・・・。
いったい、どういうきっかけで、やせ細ってしまうのでしょうか。

武井美智子Dr: はい。
きっかけはさまざまですが、やせるためにダイエットを行い、食事摂取量や体重にとらわれるようになって、拒食症になるのが、最も代表的です。
そのほかに、風邪などのために食欲が落ちて体重が減少し、それを契機に発症する人もいます。

二見いすず: やせたいと思うとつい食事を減らすことを考えてしまいますよね。

武井美智子Dr: はい。そういう方が多いと思います。
しかし、食事を極端に減らすダイエットは、拒食症の原因になってしまうこともあることをぜひ知っていただきたいですね。

二見いすず: なるほど。
では、ダイエットがどのように拒食症へつながっていくのでしょうか。

武井美智子Dr: はい。
食事を減らして体重が減り、周囲に注目を集める経験をしてしまうと、それが喜びになります。
そして、もっと注目されるようにきれいになりたい、もっとやせたいと、ダイエットを続けてしまうのです。
これは、無意識のうちに続けてしまう場合もあります。
食事を減らすほかに、食べて吐くというケースもあります。

二見いすず: なるほど。
周囲から見ると十分にスリムなのに、もっともっと、まだまだやせたいと思ってしまうわけですね。

武井美智子Dr: そうなんです。
拒食症は、ご本人はやせているという自覚がほとんどないのが特徴です。
つまり、病気の結果、自分の姿に対する認知のゆがみがあるのです。

二見いすず: なるほど。
では、拒食症の詳しい症状は来週に引き続き伺います。
武井さんありがとうございました。

武井美智子Dr: ありがとうございました。