『摂食障害』 ゲスト:武井美智子ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、「摂食障害」について、鹿児島県医師会の武井美智子(たけいみちこ)ドクターにお話を伺っています。
武井さん今週もよろしくお願いいたします。

武井美智子Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今週は、摂食障害のうち、過食症について伺いたいと思います。
まず、過食症とはどういった病気なのでしょうか。

武井美智子Dr: はい。
過食症とは、文字通り、過剰に食べ過ぎてしまう病気のことです。
過食症の患者さんのなかには、過剰に食事をとった後に、自分で喉に指を入れて吐いたり、下剤を濫用したりする人もいるため、体重は太っている場合と、正常体重の場合とあります。
もちろん、過食症の人の中には、過食するのみで、嘔吐や下剤濫用のない人もいます。

二見いすず: なるほど。

武井美智子Dr: 過食症の患者さんも、拒食症と同じく、ほとんどが自分に自信が持てなかったり、自信喪失した後に発症しているようです。
「太ってはいけない・・・」という強迫観念にしばられて、食べた後に、吐いたり、下剤を濫用したり、過剰に運動をしたりします。

二見いすず: なるほど・・・。
年代的にはどうでしょうか。

武井美智子Dr: 過食症は、10代の方もいますが、20代の方にも多くいます。
例えば、失恋をきっかけに過食症になってしまう方もいるんですよ。

二見いすず: そうなんですか・・・。
そういったショックな出来事がきっかけで自信喪失して、過剰な食事に走り、でも太りたくないから吐いてしまう・・・ということですね。
でも、失恋などは誰にでも起こりうることですから、他人事ではありませんね。

武井美智子Dr: そうですね。
失恋することは誰にでも起こることですから、自分がだめだからだ、と思い込まないでほしいと思います。

二見いすず: そうですよね。ほかにも原因はありますか。

武井美智子Dr: はい。
例えば、幼いころ両親に虐待をされた経験のある人は、大人になって、過食症や拒食症になることがあります。
これも自己評価が関係していると考えられています。

二見いすず: そういった幼児期の辛い体験が関係している場合もあるのですね。

武井美智子Dr: そうですね。
拒食症も過食症も、ダイエットなどがきっかけにはなっていますが、根底には、幼い頃、家族からは愛情を受けていても、本人は愛情が足りなかったと感じていたり、または、過保護に育ちすぎて社会性が十分に育っていない人がこういった摂食障害になりやすいと言われています。

二見いすず: なるほど。
では、来週は、過食症の治療について伺います。
ありがとうございました。

武井美智子Dr: ありがとうございました。