『摂食障害』 ゲスト:武井美智子ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、「摂食障害」について、鹿児島県医師会の武井美智子(たけいみちこ)ドクターにお話を伺っています。
武井さん今週もよろしくお願いいたします。

武井美智子Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今週は、過食症の治療について伺いたいと思います。

武井美智子Dr: はい。
過食症の治療は、拒食症と同様に心療内科などの専門医療機関で診察を受け、心身にみられる症状や検査結果を把握し、発症した原因や持続要因について調べます。

二見いすず: はい。

武井美智子Dr: そして、過食症と診断された場合、まずは、外来で治療して様子をみることが多いのですが、改善が困難であれば、認知行動療法など、入院治療に切り替えます。

二見いすず: はい。

武井美智子Dr: 認知行動療法では、吐かないで食べることのできる程度の食事を3食きちんと摂るようにしてもらいます。
そして、発症原因や持続要因にあわせて、その解決のために、自分の気持ちを抑えないで自己表現できるような社会的技術訓練を行います。
うつ状態や食べ物や体重へのこだわりが強い場合は、SSRIなどのお薬を使う場合もあります。

二見いすず: なるほど。
では、拒食症の方は、自覚がない場合も多いとのことでしたが、過食症の方はいかがでしょうか。

武井美智子Dr: 過食症は、自分が極端に食べることは気づいており、悩んでいる人もいますが、病気と認めたくない人も多く、治療を拒否する場合もよくあります。

二見いすず: なるほど。
では、周囲が気づくことができますか?

武井美智子Dr: はい。
過食症の方は、食べるときにいわゆる動物的にガツガツ食べる傾向があります。
それを恥ずかしいと思ってか、人と食事を共にしたがりません。
また、お菓子や食物をたくさん買い込んで溜め込んでいたり、食べるとすぐ吐くために、トイレに長く入っていたりすることも多いようです。
そういった場合は、過食症の可能性を考えてもいいかもしれません。

二見いすず: なるほど。

武井美智子Dr: 拒食症も過食症も、早期発見・早期治療を行い、慢性化させないことが大切です。
ほかに過食症や拒食症のサインとして、手に吐きダコができている、唾液腺がはれている、下剤の使用量が多いなどがあります。
周囲の方が気づいた場合は、ぜひ専門医療機関へ相談していただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
家族や友人などの気づきやサポートも大切なんですね。
武井さん今週もありがとうございました。

武井美智子Dr: ありがとうございました。