二見いすず: | 今月のドクタートークは、「肩こり」をテーマにお送りしています。 先週に引き続き、お話は、鹿児島県医師会の増田明敏(ますだあきとし)ドクターです。 よろしくお願いいたします。 |
増田明俊Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 前回は、生活習慣などが原因の「本態性肩こり」について、日常生活の改善ポイントなどを伺いました。 今週は、病気が原因の「症候性肩こり」についてお願いいたします。 まず、肩こりの原因となる病気にはどのようなものがあるのでしょうか。 |
増田明俊Dr: | はい。 原因となる病気はさまざまなのですが、代表的なものでは、加齢や怪我が原因で骨や椎間板の変形が起こる「頚椎症」や、鎖骨周辺の神経や血管が圧迫される「胸郭出口症候群」、そして、いわゆる五十肩と呼ばれる「肩関節周囲炎」などがあります。 |
二見いすず: | 骨の変形や神経の圧迫、そして炎症など、さまざまな原因があるのですね。 |
増田明俊Dr: | そうですね。 ほかに、「狭心症」「高血圧症」などの内科疾患や、精神的なストレス、うつ病なども原因として考えられています。 |
二見いすず: | なるほど。 内科疾患やストレスでも肩こりになるのですね。 |
増田明俊Dr: | はい。 つまり、肩こりを感じたら、筋肉疲労の可能性だけではなく、これらの病気が隠れていることも考えていただきたいということです。 |
二見いすず: | そうですね。 |
増田明俊Dr: | 肩こりを感じたら、整形外科などの医療機関で、肩こりの背景にある原因疾患を明らかにすることが大切です。 |
二見いすず: | はい。 |
増田明俊Dr: | そして、原因の病気が分かったら、各分野の専門医に相談し、病気の根本治療を行う必要があります。 |
二見いすず: | そうですね。 |
増田明俊Dr: | はい。 病気の治療を行うと同時に、痛みがひどい場合には消炎鎮痛剤や筋肉を和らげる効果のある筋弛緩剤などの薬物で対症療法を行う場合もあります。 また、頑固な肩こりには、トリガーポイント注射や神経ブロック注射などもありますので、医師へご相談ください。 |
二見いすず: | わかりました。 肩こりには、「頚椎症(けいついしょう)」、「胸郭出口症候群」、「五十肩」、そして「狭心症」などの内科疾患、ストレスまで、さまざまな病気が隠れている可能性があることがよくわかりました。 肩こりを感じたら放置せず、まずは医療機関で原因を明らかにすることが大切ですね。 お話は、鹿児島県医師会の増田明敏(ますだあきとし)ドクターでした。 ありがとうございました。 |
増田明俊Dr: | ありがとうございました。 |