二見いすず：	今月のドクタートークは、「禁煙」をテーマにお送りします。 お話は、鹿児島県医師会の村上直樹（むらかみなおき）ドクターです。 村上さん、今週もよろしくお願い致します。
村上直樹Ｄｒ：	よろしくお願い致します。
二見いすず：	先週は、若い女性に喫煙が増えていること。 そして、妊娠中に喫煙することの怖さ。 また、子どもたちへの禁煙教育の大切さを伺いました。 今週は、吸っているご本人ではなく、家族や周囲の人々の「受動喫煙」について伺いたいと思います。
村上直樹Ｄｒ：	はい。 実は、タバコは、吸っている本人が肺の中に吸い込む煙より、タバコを吸っている人が吐き出す煙の方が、体に悪い成分を多く含んでいるんです。
二見いすず：	えっ、ご本人が吸い込む煙より、周囲の人が吸い込む煙の方が、体に悪い成分をたくさん含んでいるとは・・・。 それは周囲の人にとっては大変迷惑な話ですね。
村上直樹Ｄｒ：	はい、そうなんです。 タバコから立ち上がる煙には、吸っている本人が吸い込むタバコの煙より、がんになる物質は3〜２０倍、ニコチンは３倍、一酸化炭素は５倍、アンモニアは50倍も多いといわれています。
二見いすず：	そんなに多いとは驚きました。
村上直樹Ｄｒ：	私は、小児科が専門ですが、喘息の子どもさんを診察していますと、同じ家の中でご両親がタバコを吸っている確率が高いように思えます。
二見いすず：	なるほど。
村上直樹Ｄｒ：	ほかに、両親がタバコを吸っていると、子どもは風邪を引きやすい、中耳炎や喘息、肺炎にかかりやすいなどという傾向が見られるようです。
二見いすず：	子どもや赤ちゃんに悪影響を与えてはいけませんね。
村上直樹Ｄｒ：	そうですね。 ぜひ、受動喫煙の怖さを知り、ご家族のためにも、禁煙に取り組んでいただきたいと思います。
二見いすず：	最近では、職場などでも禁煙や分煙がずいぶん進んでいるようですね。
村上直樹Ｄｒ：	そうですね。 家族だけでなく、周囲の方への配慮も忘れないでいただきたいと思います。 この受動喫煙についてお話するとき、私はいつも「大切な人へ禁煙をプレゼント」と言っています。
二見いすず：	なるほど。 禁煙を“我慢しなくちゃ”とか“辛いなあ”と考えるのではなく、大切な家族や周囲の方に喜んでもらえる“プレゼント”と考えると、明るく前向きな気持ちで禁煙に取り組めそうですね。
村上直樹Ｄｒ：	そうですね。 家にタバコを持ち込まなければ、健康被害だけではなく、子どもさんがタバコを間違って飲み込んでしまったりする事故も防ぐことができます。 ぜひ、大切な方へ禁煙をプレゼントしてください。
二見いすず：	よくわかりました。 本日は、受動喫煙の怖さについてお話いただきました。 今週のお話も村上直樹ドクターでした。 ありがとうございました。
村上直樹Ｄｒ：	ありがとうございました。