二見いすず: | 今月は、インフルエンザについて、鹿児島県医師会の西順一郎(にしじゅんいちろう)ドクターにお話を伺っています。 西さん、今週もよろしくお願いいたします。 |
西順一郎Dr: | よろしくお願いします。 |
二見いすず: | まず、先週のお話では、今年も、季節性インフルエンザに加えて、新型インフルエンザが流行する可能性があるとのことでした。 改めて、新型インフルエンザの症状の特徴を教えてください。 |
西順一郎Dr: | はい。 主な症状は、突然の高熱、咳、のどの痛み、鼻水、鼻づまり、全身のだるさ、頭痛、関節痛などで、これまでの季節性インフルエンザとほぼ同様です。 |
二見いすず: | はい。 突然の高熱、咳、のどの痛み、鼻水、鼻づまり、全身のだるさ、頭痛、関節痛などの症状があるのですね。 |
西順一郎Dr: | そうですね。 そして、新型インフルエンザは、感染しても、多くの方は軽症で回復しますが、持病を持っている「ハイリスク者」は重症化する可能性があります。 また、「ハイリスク者」以外の健康な方でも、まれではありますが、重症化や死亡例がみられました。 |
二見いすず: | 「ハイリスク者」の方とは、どのような方でしょうか。 |
西順一郎Dr: | はい。 「慢性の呼吸器の病気」「慢性の心臓病」「糖尿病」「肝硬変」などの患者さんやステロイドなどの免疫を抑える薬を飲んでいる方などです。呼吸器の病気の中でも気管支喘息の患者さんは、昨年肺炎を起こしやすい傾向がみられました。 妊娠されている方は、昨年はハイリスク者として注目されましたが、結果的には日本では重症化した患者はみられませんでした。 ただ、海外では死亡者が多数みられていますので、引き続き注意が必要です。 しかし、ハイリスク者でないからといって決して油断はできません。 |
二見いすず: | どういうことでしょうか。 |
西順一郎Dr: | 昨年は新型インフルエンザで、全国で202名の方が亡くなられていて、その約30%は、基礎疾患のない健康な方でした。 また、季節性インフルエンザウイルスと異なり、明らかに肺に感染が広がりやすいこともわかっています。 新型インフルエンザの病原性は決して弱いものではないことを自覚して、一人ひとりがしっかりと予防対策を行い、社会全体で流行を抑えていく努力が必要だと思います。 |
二見いすず: | その通りですね。 ハイリスク者の方が注意して感染予防をされるのはもちろん、私たちみんなが協力して感染拡大を防がなくてなりませんね。 |
西順一郎Dr: | そうですね。 まず、ぜひ考えていただきたいのがワクチンの接種です。 今年流行が予想されている、新型インフルエンザを含む3つのインフルエンザの混合ワクチンの接種が10月からスタートしています。 かかりつけの医療機関にご相談いただき、早めの接種をお願いしたいと思います。 昨年新型インフルエンザにかかった人も、受けていただきたいですし、昨年ワクチンを接種した方も効果は残っていませんので、改めて今年受けていただきたいと思います。 |
二見いすず: | わかりました。 来週も引き続き、インフルエンザについてうかがってまいります。 西さん、ありがとうございました。 |
西順一郎Dr: | ありがとうございました。 |