二見いすず: 今月のドクタートークは、「アルコール依存症」について、鹿児島県医師会の竹元隆洋(たけもとたかひろ)ドクターにお話を伺っています。
竹元さん、今週もどうぞよろしくお願いいたします。

竹元隆洋Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今週は、まず、アルコール依存症かどうかをチェックする方法を教えてください。

竹元隆洋Dr: はい。
まず、5年前、10年前に比べて、お酒の量が増えたという方は要注意です。
1日1合だったのが、2合になり、3合になり、という方は、アルコールによる脳のマヒが進行して、脳がアルコールに慣れて、少量では酔えなくなり、量がどんどん増えている可能性があります。

二見いすず: 以前より増えている、というのがポイントですね。

竹元隆洋Dr: そうですね。
増えているということは、脳がアルコールに慣れて、脳の感受性が低下し、少量では酩酊の効果がなくなるので「もっと、もっと」と要求している状態です。
こうなるとアルコール依存症の可能性が高いです。

二見いすず: なるほど。

竹元隆洋Dr: また、お酒を3日止めてみて、飲みたい欲求が抑えられず飲んでしまうようであれば依存症の可能性があります。
アルコールは3日経たないと体内から排出されません。
つまり、アルコールを絶って4日目に、禁断症状が出ないかどうかをチェックするということです。
もしも禁断症状を感じられた方は、一度、専門医にご相談されることをおすすめします。

二見いすず: わかりました。
では、予防法についてお願いします。

竹元隆洋Dr: はい。
まず、アルコール依存症という病気の怖さを認識していただくことが第一だと思います。
例えば、アルコール依存症になり、自分の許容量を越えて飲み続けると、脳が麻痺し、脳細胞が死んで、脳の機能が低下して物忘れがひどくなり、最終的にはアルコール認知症になってしまうのです。

二見いすず: とても怖いですね・・・。

竹元隆洋Dr: そうですね。
ほかにも、アルコール依存症になってしまったら、体にさまざまな合併症がおこったり、精神的に不安定になったりして、社会生活を送るのが難しくなることもあります。

二見いすず: はい。

竹元隆洋Dr: アルコール依存症が原因で、仕事を失ったり、家族に暴力をふるって家庭崩壊につながる深刻なケースも珍しくありません。

二見いすず: お酒はいい面もありますが、依存症という怖い側面があることも忘れてはならないですね。

竹元隆洋Dr: その通りです。
お酒を適量楽しむ分にはいいと思いますが、飲み方に注意しないと、アルコール依存症という怖い病気につながってしまう可能性があることを忘れないでいただきたいと思います。

二見いすず: 分かりました。
竹元さん、今週もありがとうございました。

竹元隆洋Dr: ありがとうございました。