二見いすず: 今月のドクタートークは、「脳卒中」について鹿児島県医師会の上津原甲一(うえつはらこういち)ドクターにお話を伺っています。上津原さん、今週もよろしくお願いいたします。

上津原甲一Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、「脳卒中」の原因には、「脳出血」と「くも膜下出血」と「脳梗塞」の3つがあることをお伺いしました。

上津原甲一Dr: そうですね。

二見いすず: では、今週は、それぞれについて詳しくお願いしたいと思います。
まずは「脳出血」をお願いします。

上津原甲一Dr: はい。
「脳出血」は、脳の内部の血管が切れて脳出血が起こる病気です。
原因としては、高血圧のために血管がもろくなって破けるために出血するケースが多いようです。
出血した結果、周囲の脳を破壊したり圧迫したりして、さまざまな後遺症を引き起こします。

二見いすず: 高血圧の方は注意が必要ということですね。

上津原甲一Dr: そうですね。
治療としましては、手術をする外科的治療と、血圧を下げたり点滴を行ったりする内科的治療があります。

二見いすず: 治療後は後遺症が残るものなのでしょうか。

上津原甲一Dr: 元の生活に戻れる場合から、寝たきりなどの高度な障害が残る場合までさまざまです。
やはり早めの対応が鍵になります。

二見いすず: わかりました。予防法はありますか?

上津原甲一Dr: はい。
「脳出血」に関しては、高血圧が主な原因ですから、生活習慣に気をつけると共に、日ごろから血圧を毎日朝晩計ることも心がけていただきたいと思います。

二見いすず: わかりました。
では次に「くも膜下出血」についてお願いします。

上津原甲一Dr: はい。
「くも膜下出血」は脳の表面の血管が切れて、脳の表面、つまり、くも膜の下に出血が起こります。
「くも膜下出血」は死亡率が高いことも特徴です。
この病気の原因は、「脳動脈瘤」という血管のコブのようなものが破裂して起こります。

二見いすず: 血管のコブのようなものが破裂するのですね。

上津原甲一Dr: はい。
このコブがなぜ血管にできるのかは、実は解明されていません。
ただし、脳ドッグを受けると自分にあるかどうかの確認ができますので、発症率が高まる40代以降の方は2、3年に一度調べておくことが、予防につながってくると思います。

二見いすず: わかりました。

上津原甲一Dr: 「くも膜下出血」の治療としては、このコブが破裂しないようにクリップで留めるか、中にコイルを詰めるという方法がとられます。

二見いすず: よくわかりました。
来週は「脳梗塞」についてうかがいます。
上津原さん、ありがとうございました。

上津原甲一Dr: ありがとうございました。