二見いすず: 今月のドクタートークは、「脳卒中」について鹿児島県医師会の上津原甲一(うえつはらこういち)ドクターにお話を伺っています。
上津原さん、今週もよろしくお願いいたします。

上津原甲一Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は、「脳卒中」の原因である「脳梗塞」についてお願いします。

上津原甲一Dr: はい。
「脳梗塞」は、「脳卒中」の原因の約6割を占めていて、脳の血管が詰まる病気のことを言います。

二見いすず: はい。

上津原甲一Dr: 「脳梗塞」には、高血圧が原因で細い血管が詰まる「ラクナ梗塞」と、高脂血症や糖尿病が原因で太い血管が詰まる「アテローム血栓性脳梗塞」、不整脈の方などに多い、心臓にできた血管の塊が流れてきて詰まる「心原性脳塞栓症」があります。

二見いすず: いろいろな原因があるのですね。

上津原甲一Dr: そうですね。
「脳梗塞」の特徴は、前触れがあることです。
手足に力が入らない、手足がしびれる、物が二重に見える、食べ物や飲み物が飲み込めない、言葉が出ないなどの症状が出現して5〜10分程度、遅くとも24時間以内に症状が消えてしまうことがあったら、大きな脳梗塞の前触れである可能性があります。
放置せずに、すぐに専門医のいる病院で診察を受けてください。

二見いすず: なるほど。
脳梗塞は前触れを見逃さないことが大切ですね。

上津原甲一Dr: そうですね。
そして、ぜひ多くの方に知っていただきたいのが、「t−PA」という治療法です。

二見いすず: 「t−PA」ですか。

上津原甲一Dr: はい。
脳梗塞の治療法なのですが、鹿児島県医師会の友杉哲三ドクターが専門的に取り組んでおられますので、詳しいお話をお願いしたいと思います。

二見いすず: わかりました。
本日は友杉ドクターにもおいでいただいています。
友杉さんよろしくお願いいたします。

友杉哲三Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 早速ですが「t−PA」とはどんな治療なのでしょうか。

友杉哲三Dr: はい。
「t-PA」とは、血栓溶解療法で、薬で血栓を溶かし、有効に機能した場合は、脳卒中のすべての症状を改善できる画期的な治療法です。

二見いすず: それはすごいですね。

友杉哲三Dr: はい。
ただし、発症3時間以内でないと投与できない薬なので、脳梗塞が起こったら、2時間以内に病院に到着していただかないと処置ができないという注意点があります。

二見いすず: わかりました。
来週も「t−PA」についてさらに詳しくうかがいます。
上津原さん、友杉さん、ありがとうございました。

上津原甲一Dr: ありがとうございました。

友杉哲三Dr: ありがとうございました。