二見いすず: 今月のドクタートークは、「脳卒中」についてお話を伺っています。
ゲストは、鹿児島県医師会の上津原甲一(うえつはらこういち)ドクター、友杉哲三(ともすぎてつぞう)ドクターです。
よろしくお願いいたします。

上津原甲一Dr: よろしくお願いいたします。

友杉哲三Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週から脳梗塞の最新の治療法「t−PA」について伺っています。
友杉さんが専門的に取り組んでおられるということでしたが、「t−PA」は、薬で血栓を溶かしてくれる画期的な治療法ということでしたね。

友杉哲三Dr: そうですね。
この血栓溶解療法は、発症3時間以内でないと投薬できないので、脳梗塞が起こったら2時間以内に病院に到着しなければ治療できないことを知っておいていただきたいと思います。

二見いすず: 迷わず救急車に電話をして、すぐに病院へ行くことが大切ですね。

友杉哲三Dr: その通りです。
脳卒中の治療は時間との勝負ですから、現在、県内各地の病院で脳卒中の患者を受け入れるためのネットワーク作りを進めています。

二見いすず: 各地に専門医がいらっしゃる病院があるのは心強いですね。

友杉哲三Dr: そうですね。
繰り返しになりますが、脳卒中が起こったら、できるだけ早く病院で治療を受けてください。
脳卒中かどうかを見極めるためには、「ACT FAST」という言葉を覚えておくといいと思います。

二見いすず: 「ACT FAST(アクトファースト)」ですか?

友杉哲三Dr: そうです。
「ACT」は行動するという意味で、「FAST」は早くという意味です。
つまり、“早く病院へ”という意味があります。
また、「FAST」は、脳卒中かどうかを診断するチェックポイントを示しています。

二見いすず: どういうチェックポイントでしょうか?

友杉哲三Dr: はい。
「F」はフェイスの「F」で、笑ったり、歯を見せたりするとき顔面の半分が動かない。
そして「A」はアームの「A」で、片方の腕が上がりにくい。
そして「S」はスピーチの「S」で、話がはっきりできない、または全くできないならば、そのうち1つでもあてはまれば脳卒中の可能性が高いということです。
そして「T」はタイムの「T」で、急いで救急車を呼ぶ、という意味があります。

二見いすず: よく分かりました。
フェイス、アーム、スピーチ、タイムですね。
ぜひ覚えて、早期発見につなげたいと思います。
では、上津原さん、まとめをお願いいたします。

上津原甲一Dr: はい。
脳卒中は、死亡原因になったり、後遺症が残る病気であり、早期発見・早期治療がとても大切です。
新しい治療法「t−PA」も出てきていますので、症状が出たら迷わず救急車を呼び、早急な対応に努めていただきたいと思います。

二見いすず: わかりました。
上津原さん、友杉さん、貴重なお話をどうもありがとうございました。

上津原甲一Dr: ありがとうございました。

友杉哲三Dr: ありがとうございました。