2011.6.4 第422回放送分 『食中毒』 ゲスト:南武嗣ドクター



二見いすず: 6月に入りました。今月は、この時期には特に注意したい「食中毒」について、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターにお話を伺います。
南さん、よろしくお願い致します。

南 武嗣Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 食中毒といえば、やはり先日発生した生肉による食中毒事件が気になりますね。

南 武嗣Dr: そうですね。
大変残念なことですが、命を落とされた方も出てしまった深刻な食中毒となりました。

二見いすず: そうですね。
このような事態が再発するのをできるだけ避けるためにも、食中毒について改めて知っておきたいと思います。
では、南さん、まず、食中毒とはどのようなことを言うのでしょうか。

南 武嗣Dr: はい。
食中毒は、食べ物や飲み物が原因で健康に障害が出ることを言います。
原因は、大きく分けて、ウイルスによるものと、細菌によるものがあります。
ウイルスは、秋から冬にかけて食中毒が起こる、ノロウイルスなどが代表的なものです。

二見いすず: なるほど。
では、細菌性のものは、どのようなものがありますでしょうか。

南 武嗣Dr: はい。
細菌性の食中毒についてですが、原因となる細菌には、大きく分けて、毒素型と感染型という2つのタイプがあります。
まず、毒素型といわれるものの代表的な菌がブドウ球菌です。

二見いすず: ブドウ球菌は毒素型なのですね。

南 武嗣Dr: そうです。
毒素型の細菌が原因の食中毒は、感染して数時間で発症するのが特徴です。

二見いすず: はい。
では、感染型の代表的なものは、どのようなものがありますか。

南 武嗣Dr: はい。
よく耳にされると思われます「O-157」も感染型の細菌の一つで、腸管出血性大腸菌と言われています。

二見いすず: そうなんですね。
「O-157」は、以前、小学校の給食などで集団食中毒が起こり、大きなニュースとなりましたね。

南 武嗣Dr: そうですね。
そして、今回起こった生肉による食中毒の原因となったのが「O-111」、「O-157」という細菌です。
初めて耳にした方もいらっしゃるかもしれませんが、「O-111」も感染型の細菌の一つで、「O-157」と同じく重い中毒症状を起こす腸管出血性大腸菌です。

二見いすず: そうなんですね。

南 武嗣Dr: はい。
「O-157」、「O-111」をはじめ、サルモネラ菌やカンピロバクターなども感染型の細菌です。
これらの感染型の細菌が原因の食中毒は、毒素型の細菌が原因の食中毒とは違って、感染してから数日経ってから発症することが特徴です。

二見いすず: なるほど。
食中毒の原因には、ウイルス性と細菌性のものがあり、細菌性のものには、毒素型と感染型という種類があること。
そして、毒素型は感染してすぐに発症し、感染型は数日経ってから発症することが分かりました。
来週も引き続き食中毒についてお伺いしたいと思います。
お話は、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
ありがとうございました。

南 武嗣Dr: ありがとうございました。