2011.6.25 第425回放送分 『食中毒』 ゲスト:南武嗣ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、「食中毒」について、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターにお話を伺っています。
南さん、最終日の今日もよろしくお願い致します。

南 武嗣Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 先週は、食中毒の予防について、手洗い、消毒を心がけることはもちろんですが、やはり、生の肉や長期間保存して傷んでしまったものなど、食中毒のリスクがある食品には、十分な注意をすることが大切だと伺いました。
今週は、感染してしまった場合の症状と対処について伺いたいと思います。

南 武嗣Dr: はい。

二見いすず: まず、食中毒にかかってしまったら、どんな自覚症状が出るのでしょうか。

南 武嗣Dr: 原因のウイルスや細菌によって、症状はさまざまですが、吐き気や腹痛、下痢、血便、血尿、けいれんが起こったり、皮膚に出血班などが出ることもあります。

二見いすず: はい。
吐き気や腹痛、下痢、血便、血尿、けいれん、そして出血班ですね。

南 武嗣Dr: そうですね。
特に注意したいのが、血便です。
血便が出ているということは、細菌性の食中毒にかかっている可能性があるということです。
血液のような大量の便が出ると、腎不全や脳症の可能性が高いですので、一刻も早く医療機関で治療を受けていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
一般的には、食中毒の治療はどのようなことが行われるのでしょうか。

南 武嗣Dr: はい。
まず、病院では、便の検査をして食中毒の原因を特定します。
そして、抗生剤でウイルスや細菌を抑える治療を行います。

二見いすず: なるほど。

南 武嗣Dr: 腎不全などにかかってしまっている場合は、人工透析などの治療も行われます。
一方で、脳症にかかってしまっている場合は、残念ですが、現在のところ治療法がないのが現状です。

二見いすず: よくわかりました。
では、4週にわたり伺ってきたお話をまとめますと、食中毒にはウイルス性と細菌性のものがあること。
細菌性のものには毒素型と感染型があり、発症期間は、感染後数時間のものから、数日かかるものまであるということでしたね。

南 武嗣Dr: そうですね。

二見いすず: そして、先日、生肉による食中毒の原因となった「O-111」や「O-157」などは、健康な牛がもともと持っている大腸菌であり、人間に感染すると悪影響を及ぼすものに変わってしまうことを伺いました。
そういった菌の感染を防ぐには、食中毒の危険性のあるものは口にしないということ、そして、食材は加熱して食べることが大切ということでしたね。

南 武嗣Dr: その通りです。

二見いすず: 特に、抵抗力の弱い小さい子どもやお年寄りは、特に注意することが必要ですね。

南 武嗣Dr: そうですね。
そして、二次感染の可能性もあるので、子どもやお年寄り以外の方も感染しないように十分注意していただきたいと思います。

二見いすず: 今月は4週にわたり食中毒について伺いました。
お話は、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
ありがとうございました。

南 武嗣Dr: ありがとうございました。