2011.8.6 第431回放送分『熱中症』 ゲスト:年永隆一ドクター



二見いすず: 8月になりました。
今月のドクタートークは、「熱中症」をテーマにお送りします。
お話は、鹿児島県医師会の年永隆一(としながりゅういち)ドクターです。
年永さん、よろしくお願い致します。

年永 隆一Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 今年の夏は、節電の影響などで、冷房を控えている家庭や会社も多いのではないかと思います。
一方で、冷房を我慢しすぎて熱中症なってしまうケースも心配されているようです。
では、今回はまず、熱中症とはどのようなものか、お教えいただければと思います。

年永 隆一Dr: はい。
熱中症とは、炎天下に長時間いたり、高温多湿の室内に長くいたりすることで、体内の温度が上昇し、その温度変化に対応しようとして、体に脱水症状や血管拡張などが起きることをいいます。

二見いすず: 体に脱水症状や血管拡張などが起きるということですが、具体的には、どのような症状が出るのでしょうか。

年永 隆一Dr: はい。
熱中症にはいろいろな段階があり、軽度のものでは、いわゆる日射病のように、立ちくらみ、たくさん汗をかく、筋肉がひきつる、こむら返りが起こる、というような症状が起こります。

二見いすず: はい。

年永 隆一Dr: さらに熱中症が悪化すると、頭痛、吐き気、嘔吐、強い倦怠感が起こります。
ときには、自分で水分や食事がとれなくなる状態になることもあります。

二見いすず: なるほど。

年永 隆一Dr: そして、さらにひどくなると「熱射病」という状態になり、40度以上の熱が出て、意識が朦朧とします。
体温調節機能も働かなくなり、皮膚が乾いたりする症状が見られます。
ひどい脱水症状や多臓器不全という重い症状を起こすことがあります。

二見いすず: 多臓器不全とは、大変なことになるのですね。

年永 隆一Dr: はい。
ひどい脱水症状や多臓器不全になりますと、後遺症が残る場合もありますし、最悪の場合は命にかかわることもあります。

二見いすず: 熱中症が、命に関わることもあるとは、驚きました。
十分に気をつけないといけませんね。

年永 隆一Dr: そうですね。

二見いすず: 8月ですから、もうすでに熱中症にかかってしまわれた方もいらっしゃいますか。

年永 隆一Dr: そうですね。
熱中症が出るのは、やはり夏の暑い時期が多いです。
鹿児島では、先月の初めごろから熱中症の報告が増えています。
鹿児島はまだまだ暑い日が続くと思いますので、これからも十分な熱中症予防対策をしていただきたいと思います。

二見いすず: はい。
熱中症は、炎天下に長時間いたり、高温多湿の室内にいたりすると起こりやすいこと。そして、軽度なものから、重度の場合は意識障害がおこって多機能不全に陥り、最悪の場合は命に関わるということです。
引き続き来週は、熱中症予防についてお話を伺います。
お話は年永隆一(としながりゅういち)ドクターでした。
ありがとうございました。

年永 隆一Dr: ありがとうございました。