二見いすず: | 今月のドクタートークは、「うつ病」についてお話をうかがっています。 ゲストは、鹿児島県医師会の赤崎安隆(あかさきやすたか)ドクターです。 今週もよろしくお願いいたします。 |
赤崎安隆Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 先週のお話では、「うつ病」は、ストレスなどで心が疲れきって、気分の落ち込みなどが回復せず、体の不調を感じたりして、日常生活に支障をきたしてしまう病気で、脳の神経伝達物質の減少してしまう病気ということでしたね。 |
赤崎安隆Dr: | はい。 その通りです。 |
二見いすず: | 「うつ病」の具体的な症状は、気分が落ち込んだり、興味関心が薄れたり、うれしいという感情が起こりにくくなったり、ということでした。 |
赤崎安隆Dr: | そうですね。 ほかにも、仕事や家事、勉強、趣味などにやる気がなくなる、どうでもいいやという気持ちになる、判断力がなくなって決断ができなくなるという症状があります。 そして、とても大きな問題なのですが、うつ病になると、死にたいという気持ちになることがあります。 |
二見いすず: | えっ、死にたいという気持ちになるとは…。 深刻な状態ですね。 |
赤崎安隆Dr: | そうなんです。 実は、日本での自殺者は年間3万人を越えるといわれ、鹿児島県でも年間400人以上の自殺者が出ています。 その大きな原因の一つが、うつ病であるといわれています。 |
二見いすず: | そんなに多くの方が自ら命を絶たれているとは…。 とてもショックです。 その原因の一つがうつ病ということであれば、本当に深刻ですね。 そういった悲しい出来事を防ぐためにも治療が必要ですね。 |
赤崎安隆Dr: | そうですね。 ぜひ早期発見早期治療で、そういった出来事を未然に防いでいただきたいと思います。 |
二見いすず: | そうですね。 早期治療のためにも、早期発見が大切ですが、さきほどおっしゃっていた症状のほかに、うつ病の症状はありますか? |
赤崎安隆Dr: | はい。 先ほど申し上げた感情の症状のほかにも、眠れない、朝早く目が覚める、寝つきが悪い、食欲がない、だるい、頭痛・腹痛があるなどのさまざまな身体症状が出ることがあります。 |
二見いすず: | 眠れない、朝早く目が覚める、寝つきが悪い、食欲がない、だるい、頭痛・腹痛があるということです。 |
赤崎安隆Dr: | はい。 これらの症状は、「うつ病」の場合は、一般的には気分の落ち込みなどと一緒に出ることが多いのですが、ときには、さきほど申し上げたような体の症状だけが出る場合もあります。 |
二見いすず: | なるほど。 気分は比較的元気なのに、体の調子は悪い…。 そうなりますと、「うつ病」が原因とはなかなか思わないですよね。 |
赤崎安隆Dr: | そうなんです。 これらは「仮面うつ病」と言って、別名「ほほえみうつ病」とも言います。 体の不調を感じて病院に行っても、原因が分からない場合は、もしかしたら「仮面うつ病」の可能性があります。 |
二見いすず: | なるほど。 よく分かりました。 今週もありがとうございました。 |
赤崎安隆Dr: | ありがとうございました。 |