2012.5.12 第471回放送分『うつ病』 ゲスト:赤崎安隆ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「うつ病」についてお話をうかがっています。
ゲストは、鹿児島県医師会の赤崎安隆(あかさきやすたか)ドクターです。
今週もよろしくお願いいたします。

赤崎安隆Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週のお話では、「うつ病」は、ストレスなどで心が疲れきって、気分の落ち込みなどが回復せず、体の不調を感じたりして、日常生活に支障をきたしてしまう病気で、脳の神経伝達物質の減少してしまう病気ということでしたね。

赤崎安隆Dr: はい。
その通りです。

二見いすず: 「うつ病」の具体的な症状は、気分が落ち込んだり、興味関心が薄れたり、うれしいという感情が起こりにくくなったり、ということでした。

赤崎安隆Dr: そうですね。
ほかにも、仕事や家事、勉強、趣味などにやる気がなくなる、どうでもいいやという気持ちになる、判断力がなくなって決断ができなくなるという症状があります。
そして、とても大きな問題なのですが、うつ病になると、死にたいという気持ちになることがあります。

二見いすず: えっ、死にたいという気持ちになるとは…。
深刻な状態ですね。

赤崎安隆Dr: そうなんです。
実は、日本での自殺者は年間3万人を越えるといわれ、鹿児島県でも年間400人以上の自殺者が出ています。
その大きな原因の一つが、うつ病であるといわれています。

二見いすず: そんなに多くの方が自ら命を絶たれているとは…。
とてもショックです。
その原因の一つがうつ病ということであれば、本当に深刻ですね。
そういった悲しい出来事を防ぐためにも治療が必要ですね。

赤崎安隆Dr: そうですね。
ぜひ早期発見早期治療で、そういった出来事を未然に防いでいただきたいと思います。

二見いすず: そうですね。
早期治療のためにも、早期発見が大切ですが、さきほどおっしゃっていた症状のほかに、うつ病の症状はありますか?

赤崎安隆Dr: はい。
先ほど申し上げた感情の症状のほかにも、眠れない、朝早く目が覚める、寝つきが悪い、食欲がない、だるい、頭痛・腹痛があるなどのさまざまな身体症状が出ることがあります。

二見いすず: 眠れない、朝早く目が覚める、寝つきが悪い、食欲がない、だるい、頭痛・腹痛があるということです。

赤崎安隆Dr: はい。
これらの症状は、「うつ病」の場合は、一般的には気分の落ち込みなどと一緒に出ることが多いのですが、ときには、さきほど申し上げたような体の症状だけが出る場合もあります。

二見いすず: なるほど。
気分は比較的元気なのに、体の調子は悪い…。
そうなりますと、「うつ病」が原因とはなかなか思わないですよね。

赤崎安隆Dr: そうなんです。
これらは「仮面うつ病」と言って、別名「ほほえみうつ病」とも言います。
体の不調を感じて病院に行っても、原因が分からない場合は、もしかしたら「仮面うつ病」の可能性があります。

二見いすず: なるほど。
よく分かりました。
今週もありがとうございました。

赤崎安隆Dr: ありがとうございました。