2012.5.19 第472回放送分『うつ病』 ゲスト:赤崎安隆ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「うつ病」についてお話をうかがっています。
ゲストは、鹿児島県医師会の赤崎安隆(あかさきやすたか)ドクターです。
今週もよろしくお願いいたします。

赤崎安隆Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週までのお話で、「うつ病」は、どなたにでもおこりうる病気であると同時に、自殺の原因にもなりうる深刻な病気でもあるので、早期発見早期治療が大切と伺いました。

赤崎安隆Dr: その通りです。

二見いすず: 「うつ病」の兆候である、気分の落ち込みや興味関心の減退、喜びの感情の減退などに加えて、不眠・集中力の低下、倦怠感などが2週間以上続くようでしたら、ぜひ医療機関へ相談していただきたいと思います。

赤崎安隆Dr: そうですね。
ご本人はもちろんですが、周囲のご家族や友人の方々も、「様子がおかしいな」と思ったら、注意深く見守り、症状に心当たりがあったら、ぜひ医療機関へ行くように勧めていただきたいと思います。

二見いすず: はい。
では、「うつ病」はどのような治療が行われるのでしょうか。

赤崎安隆Dr: はい。
まず、「うつ病」と診断されたら、まずは十分な休養をとることです。
思い切って数週間の休みを取ることをおすすめしています。

二見いすず: はい。

赤崎安隆Dr: そして、「うつ病」は、脳の中で、セロトニンやノルアドレナリンという神経伝達物質が減少している状態なので、それを正常化するためのお薬を処方して、治療を行います。

二見いすず: うつ病の治療薬は、減少してしまった神経伝達物質を正常化するためのお薬なんですね。

赤崎安隆Dr: そうですね。
「うつ病」の治療は、お薬で一度気分を回復させてから、医師やカウンセラーが話を聞いたりしてストレスを軽減する精神療法などを行います。

二見いすず: 精神療法とはなんですか?

赤崎安隆Dr: はい。
うつ病は、悲しい出来事やストレスなどがきっかけとなり、気分が落ち込み、そこからなかなか立ち直れない状態になると申し上げました。
もちろんこういったことは、誰にでも起こりうるのですが、特にまじめな方、几帳面な方、責任感の強い方、完璧主義の方などに起こりやすいという傾向があります。

二見いすず: はい。

赤崎安隆Dr: 精神療法では、そういったタイプの方々に対して、ものの考え方、受け止め方などをアドバイスして、「うつ病」になるきっかけを減らすという治療です。

二見いすず: なるほど。
うつ病の治療は、まず休養、そして、減少してしまった神経伝達物質の働きをお薬で正常化し、その上で精神療法を行って「うつ病」になりにくい考え方へ変えていく、ということですね。
よくわかりました。
今週もありがとうございました。

赤崎安隆Dr: ありがとうございました。