2012.8.4 第483回放送分『熱中症』 ゲスト:年永隆一ドクター



二見いすず: 8月になりました。
今月のドクタートークは、「熱中症」をテーマにお送りします。
お話は、鹿児島県医師会の年永隆一(としながりゅういち)ドクターです。
年永さん、よろしくお願い致します。

年永隆一Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: さて、今年の夏も暑い日が多いですね。
気温が高くなると、熱中症も大変心配されます。
今年は、鹿児島県内でも、計画停電の話もありますので、対策をお聞きしたいと思います。
まず、あらためまして、熱中症とはどのようなものなのかお教えいただければと思います。

年永隆一Dr: はい。
熱中症とは、暑い日に炎天下に長時間いたり、高温多湿の室内に長くいたりすることで、体内の温度が上昇し、その温度変化に対応しようとして、体に脱水症状や血管拡張などが起きることをいいます。

二見いすず: 脱水症状や血管拡張などが起きるということですが、具体的には、どのような症状が出るのでしょうか。

年永隆一Dr: はい。
熱中症にはいろいろな段階があります。軽いものでは、いわゆる日射病のように、立ちくらみがおきたり、たくさん汗をかいたり、筋肉がひきつったり、こむら返りが起こったりします。

二見いすず: なるほど。

年永隆一Dr: さらに熱中症が悪化すると、頭痛、吐き気、嘔吐、強い倦怠感が起こります。
ときには、自分では水分や食事がとれなくなる状態になることもあります。

二見いすず: そうなんですね。

年永隆一Dr: はい。
そして、さらに重くなると「熱射病」という状態になり、40度以上の熱が出て、意識が朦朧とします。
自分では体温調節もできなくなり、皮膚が乾いたりする症状が見られます。
最悪の場合は、ひどい脱水症状や多臓器不全という重い症状につながることもあります。

二見いすず: 多臓器不全につながるとは、とても怖いですね。

年永隆一Dr: そうです。
ひどい脱水症状や多臓器不全になりますと、後遺症が残る場合もありますし、命に関わることもあります。

二見いすず: 熱中症で命を失うなど、絶対にあってはなりませんね。
対策としては、どのようなものがありますか。

年永隆一Dr: はい。
熱中症予防としては、夏場は、日中の外出はできるだけ避け、部屋の中も通気をよくして、室温が上がり過ぎないように注意していただきたいと思います。

二見いすず: 節電で冷房を控えていらっしゃる方も多いかもしれません。
また、計画停電になった場合は、どうしたらいいでしょうか。

年永隆一Dr: そうですね。
節電は大切ですが、お年よりやお子さんなどがいるご家庭では、冷房を我慢しすぎて熱中症にならないように十分に気をつけていただきたいと思います。
また、計画停電で電気が完全に止まってしまった場合は、お部屋の換気をよくして室温が上がり過ぎないように十分注意すること。
また、暑さに耐えられない場合は、計画停電になっていない地域の公共施設などへ移動するのも一つの手かもしれません。

二見いすず: なるほど。
よく分かりました。
お話は年永隆一(としながりゅういち)ドクターでした。
ありがとうございました。

年永隆一Dr: ありがとうございました。