2012.9.1 第487回放送分『救急医療』 ゲスト:上津原甲一ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、9月9日の「救急の日」にちなみ、「救急医療」をテーマにお送りいたします。
お話は、鹿児島県医師会の上津原甲一(うえつはらこういち)ドクターです。
上津原さん、よろしくお願い致します。

上津原甲一Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 9月9日は「救急の日」ということで、あらためて「救急医療」について、お話をお聞きしたいと思いますが、鹿児島県の救急医療事情というのは、現在どのような状況なのでしょうか。

上津原甲一Dr: はい。
鹿児島県はご存知のように、南北600キロにわたり県土が広がっております。
そのため、救急医療体制は、離島や過疎地域なども含めた広いエリアをカバーするために、さまざまな工夫を行っています。

二見いすず: なるほど。
たとえばどのようなものがありますでしょうか。

上津原甲一Dr: はい。
たとえば、昨年12月から、鹿児島県でドクターヘリの運搬が開始されました。

二見いすず: はい。
報道等でよく目にいたしますね。
ドクターヘリとは、どのようなものなのでしょうか。

上津原甲一Dr: はい。
ドクターヘリは、医療機器や医薬品を搭載した救急医療専用のヘリコプターのことです。
救急病院から遠い地域にお住まいの方から、救急要請がありましたら、専門の医師と看護師がヘリに乗り、救急現場などに急行します。
そして、現地で患者さんの治療を開始し、できるだけ早く医療機関へ搬送するというものです。

二見いすず: なるほど。
大変心強いですね。
やはり、搬送時間は大幅に短縮されるのでしょうか。

上津原甲一Dr: そうですね。
搬送時間は、鹿児島市にあるヘリポートからの所用時間は、大隅半島も含む県本土でしたら片道約15分、屋久島も35分圏内と算出されています。

二見いすず: そんなに短い時間で到着されるとは大変驚きました。

上津原甲一Dr: はい。
このヘリが導入されたことで、緊急を要する患者の方をスピーディーに搬送することが可能になり、救命率も向上していると思います。

二見いすず: なるほど。
ぜひこれからも大活躍していただきたいですね。

上津原甲一Dr: そうですね。
ドクターヘリは、鹿児島県内に700ヶ所以上のランデブーポイント、すなわち臨時の離着陸場所を確保できています。
多くの方のご理解とご協力をいただき、大変ありがたいと思っております。

二見いすず: それはすばらしいことですね。
ただ、ドクターヘリは、夜間は運航できないそうですね。

上津原甲一Dr: そうなんです。
ヘリの出動時間は、午前8時30分から日没前までで、天候によっては運航が難しい場合もあります。

二見いすず: よくわかりました。
救急病院から遠い場所にお住まいの方も、緊急の事態になりましたら、遠隔地だからとあきらめず、まずは救急隊の電話番号119へ電話をして、まずはご相談されてみてください。

上津原甲一Dr: そうですね。
救急隊へ事情を伝えていただければ、医療機関等と連携を取り、適切な対応をしてくれると思います。

二見いすず: よくわかりました。
ありがとうございました。
お話は、鹿児島県医師会の上津原甲一(うえつはらこういち)ドクターでした。
ありがとうございました。

上津原甲一Dr: ありがとうございました。