2012.9.15 第489回放送分『救急医療』 ゲスト:上津原甲一ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、9月9日の「救急の日」にちなみ、「救急医療」をテーマにお送りしております。
お話は、鹿児島県医師会の上津原甲一(うえつはらこういち)ドクターです。
今週もよろしくお願い致します。

上津原甲一Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 今週は、「救急医療」で見られる病気について、私たち自身が予防したり、対策をとれるものがあれば、教えていただきたいと思います。

上津原甲一Dr: はい。
夏場からこの時期にかけて多いのは、「熱中症」ですね。
熱中症は、救急車で運ばれてくるケースも多く、対処が遅れれば命に関わる場合もあります。
一人ひとりが注意していただければ防ぐことができますので、ぜひ、予防していただきたいと思います。

二見いすず: はい。
ぜひ熱中症予防のポイントをお願いします。

上津原甲一Dr: はい。
「熱中症」には、代表的な2つのタイプがあり、炎天下や暑い室内で無理な運動を続けたために起こるものと、暑い室内でお年寄りの方が、自分では体温コントロールができずにかかってしまうものがあります。

二見いすず: はい。

上津原甲一Dr: はい。
まず、運動中に起こる熱中症については、鍛えるためにという意味で、フラフラしても頑張って続けてしまう場合があります。
これば絶対にやめていただきたいと思います。

二見いすず: 無理に頑張り続けるのは危険なのですね。

上津原甲一Dr: その通りです。
過去に、体育系の部活動で、生徒が熱中症になり、フラフラして休もうとしたら、指導員の方に止められ、結果的には命を落としたという悲しい事件もありました。
こういった悲劇を繰り返さないためにも、無理に運動を続けるのは、やめていただきたいですし、指導者の方も熱中症についてぜひ知っていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。

上津原甲一Dr: また、運動中の熱中症対策としては、適度の休憩、運動中の水分・塩分補給はもちろん大切ですが、運動する前にもスポーツドリンクを500cc程度飲んでおくと、予防に効果的だと思います。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。

上津原甲一Dr: また、これから運動会シーズンですが、普段運動をせずに汗をかいていない方が、急に炎天下で走ったりすると、汗を出すことによる体温調節がうまくできずに、熱中症にかかってしまうケースがあります。

二見いすず: なるほど。

上津原甲一Dr: 熱中症にかかる人は、ほとんど運動開始の初日に集中しています。
人間の体は、普段汗をかいていない人が、汗をかけるようになるまでに、4日かかると言われており、熱中症は発汗が追いつかないときに起こります。
つまり、運動会などに出る場合は、4日以上前から、徐々に運動をして、汗をかける体にしておくといいと思います。
こうすることで、急激な運動による熱中症はずいぶん防げると思います。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。
お話は、鹿児島県医師会の上津原甲一(うえつはらこういち)ドクターでした。
ありがとうございました。

上津原甲一Dr: ありがとうございました。