2012.10.6 第492回放送分『眼の病気』 ゲスト:中尾久美子ドクター


二見いすず: 10月に入りました。
今月のドクタートークは、10月10日の目の愛護デーにちなみ、眼の病気をテーマにお送りします。
お話は、鹿児島県医師会の中尾久美子(なかおくみこ)ドクターです。
よろしくお願い致します。

中尾久美子Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 眼の病気と言いましても、さまざまなものがあると思いますが、まずは、ご専門として取り組まれている、ぶどう膜炎について、お話をお伺いしたいと思います。

中尾久美子Dr: はい、わかりました。

二見いすず: ではまず、ぶどう膜とは、眼のどの部分になるのでしょうか。

中尾久美子Dr: はい。
ぶどう膜とは、瞳の周りの茶色の部分と、その後ろにつながり、眼球の内側を覆っている組織のことです。

二見いすず: なるほど。
それにしても、ぶどう膜とは、不思議な名前ですね。

中尾久美子Dr: そうですね。
この名前の由来は、これらの組織の形がぶどうのような球形で、色もぶどうに似ているからだと言われています。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。
では、ぶどう膜炎とは…。

中尾久美子Dr: はい。
ぶどう膜炎とは、ぶどう膜に、何らかの炎症が起こることを言います。

二見いすず: 何らかの炎症ということは、いろいろなケースがあるのでしょうか。

中尾久美子Dr: そうですね。
ひと口にぶどう膜炎といっても、炎症が起こる場所や原因によって、さまざまな症状があります。

二見いすず: では、代表的な症状を教えてください。

中尾久美子Dr: はい。
ぶどう膜炎では、眼の充血、痛み、かすみ、光をまぶしく感じるなどの症状があります。
また、視界に黒い蚊のような点が浮遊しているように見える飛蚊症を生じたり、視力が低下したりすることもあります。

二見いすず: なるほど。
充血、痛み、かすみ、まぶしさ、飛蚊症、視力の低下などの症状があるのですね。

中尾久美子Dr: そうですね。
充血症状は、結膜炎と間違われやすいのですが、ぶどう膜炎は目やにが出ません。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。
では、それらの症状が出た場合は、ぶどう膜炎の可能性があるということで、やはりすぐに医療機関へ行った方がいいのでしょうか。

中尾久美子Dr: そうですね。
眼の炎症とは、つまり、眼にやけどを負ったようなものです。
皮膚と同じように、軽いやけどでしたらきれいに治りますが、重い場合はもとには戻らず、失明などの深刻な状態につながる場合もあります。
症状を感じたら、そのまま放置せずに、医療機関で診察を受けていただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
では、来週も引き続き眼の病気について伺いたいと思います。
お話は、鹿児島県医師会の中尾久美子(なかおくみこ)ドクターでした。
ありがとうございました。

中尾久美子Dr: ありがとうございました。