2012.10.20 第494回放送分『眼の病気』 ゲスト:中尾久美子ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、10月10日の目の愛護デーにちなみ、眼の病気をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の中尾久美子(なかおくみこ)ドクターです。
今週もよろしくお願い致します。

中尾久美子Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 先週まで2週にわたり、ぶどう膜炎について伺いました。
今週からは、よく耳にします白内障・緑内障について、あらためてお願いいたします。

中尾久美子Dr: はい。
まず、白内障については、眼の水晶体という部分が加齢によって濁ってくる病気で、症状としては、ものがかすんだり、明るいところでまぶしさを感じたり、めがねが合わなくなったり、二重・三重に見えたりします。

二見いすず: はい。
治療としてはどのようなものがあるのでしょうか。

中尾久美子Dr: はい。
治療は手術で濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入します。

二見いすず: 眼の手術と言いますと、すこし怖い気がしますね。

中尾久美子Dr: そのように感じられる方もおられるかと思います。
気になることは医師に相談し、納得できたら手術を受けられたらいいと思います。

二見いすず: わかりました。
治療後はやはりよく見えるようになるのでしょうか。

中尾久美子Dr: そうですね。
見えにくい状態に慣れていた方は、よく見えてびっくりするとおっしゃる方もいます。
白内障で日常生活に支障を感じるようになったら、手術を検討してみられたらいいと思います。

二見いすず: わかりました。
では、緑内障についてもあらためてお願いいたします。

中尾久美子Dr: はい。
緑内障は、視神経が痛んで、視野が狭くなる病気です。
眼圧、つまり眼の硬さを下げることで病気の進行を遅くすることができます。

二見いすず: なるほど。
やはり、自覚症状として、痛みなどがあるのでしょうか。

中尾久美子Dr: はい。
急性の緑内障では眼の痛みや頭痛、吐き気が襲ってくる場合もありますが、実は、ほとんどが慢性の緑内障で、痛みはありません。

二見いすず: 痛みがない場合は気づきにくいですね。

中尾久美子Dr: そうなんです。
症状に気づかずに放置しておくと、状態は悪化してしまいます。
緑内障は、薬や手術で眼圧を下げる治療を行いますが、これは、これ以上悪くならないようにするために行うもので、白内障と違い、治療しても前よりも見えるようにはならないことを知っておいていただきたいと思います。

二見いすず: なるほど。
これ以上悪化しないようにする治療なのですね。
では、できるだけ早く気づいて治療し、進行を止めることが大切ですね。

中尾久美子Dr: その通りです。
緑内障は40歳以上の日本人ですと、20人に1人いる病気です。
自覚症状がない人もいることを知り、年に1回は眼科で検査をすることをおすすめいたします。

二見いすず: よく分かりました。
白内障は、加齢で誰にでも起こりうる病気であり、手術を行えば状態がよくなるということ。
また、緑内障は、自覚症状がない場合もあるので定期的に検査を受け、早期発見・早期治療を行い、悪化を防いでいただきたいといことでした。
お話は、鹿児島県医師会の中尾久美子(なかおくみこ)ドクターでした。
ありがとうございました。

中尾久美子Dr: ありがとうございました。