2012.12.15 第502回放送分『不活化ポリオワクチン』 ゲスト:重森雅彦ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、不活化ポリオワクチンについて、鹿児島県医師会の重森雅彦(しげもりまさひこ)ドクターにお話を伺っています。
重森さん、今週もよろしくお願いいたします。

重森雅彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は、今年9月に導入された乳幼児への不活化ポリオワクチン接種について、詳しく伺っていきたいと思います。
まず、不活化ポリオワクチンについて、あらためてお願いします。

重森雅彦Dr: はい。
不活化ポリオワクチンとは、ポリオの感染を予防するために接種するワクチンで、ポリオウイルスの病原性をなくしたものを接種する方法です。
こちらは、皮下接種、つまり、皮膚に注射する形で4回の接種が必要になります。

二見いすず: はい。

重森雅彦Dr: これまでの生ポリオワクチンは、計2回の集団接種が必要でしたが、不活化ポリオワクチンが導入された今年9月からは、医療機関でいつでも接種できるようになりました。
ただし、県内でも自治体によって導入時期に違いがありますので、問い合わせが必要です。

二見いすず: なるほど。
これまでは、併せて2回の集団接種だったところが、今後は医療機関で4回接種する形になるのですね。

重森雅彦Dr: そうですね。
また、今年の11月からは、この不活化ポリオワクチンを含めた4種類の病気に対する混合ワクチンもスタートしました。
ただし、このワクチンも地方自治体によって導入時期に差があります。

二見いすず: 4種類の混合ワクチン、ですか?

重森雅彦Dr: はい。
今まで接種されてきた、ジフテリア・百日ぜき・破傷風の3種混合ワクチンと不活化ポリオワクチンの計4種類の予防接種を1つの注射で受けることが可能になります。

二見いすず: なるほど。
それは負担がすくなくていいですね。
こちらは、どのような人が接種対象なのでしょうか。

重森雅彦Dr: はい。
4種混合ワクチンの接種対象者については、11月に導入された自治体の場合、これまでに3種混合、ポリオの予防接種を受けていない、今年8月1日以降に出生した乳児となります。

二見いすず: なるほど。

重森雅彦Dr: 今はポリオワクチンの移行期なので、単独の不活化ポリオワクチン、そして、4種混合ワクチンの接種方法がすこし複雑になっています。
まず、これまでに3種混合の予防接種が済んでいるか、あるいは接種中のお子さんで、ポリオの定期接種がまだお済でないお子さんは、単独の不活化ポリオワクチンを接種します。

二見いすず: なるほど。
現在、ワクチンの接種方法が、これまでの接種履歴によって、一人ひとり違う、ということですね。
では、乳幼児のいらっしゃるお母さんたちは、現在の接種状況を確認した上で、医療機関に相談していただければ、と思います。
お話は鹿児島県医師会の重森雅彦ドクターでした。
ありがとうございました。

重森雅彦Dr: ありがとうございました。